- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 41歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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バナナ踏み潰した
2007年08月05日 23:50
間もなく深夜一時にさしかかろうという時分。
家族は皆寝てしまっていたのに、俺だけはぼんやりと起きていた。何をするわけでもなかったが、次第に程よい眠気がこみ上げてきたのでこれを機にすることにした。
階下にある風呂へ入るために部屋を出る。唯一の明かりであった自室の電気を切ってしまったので、ほぼ真っ暗闇の状態だ。目が慣れるまでには少し時間がかかるだろう。階段の明かりを付ければよいだけだが、慣れした親しんだ自宅だ、暗かろうと不自由はしない。
ところが一階まであと数段だというところで右足が何かを蹴っ飛ばした。まあ、問題ないだろうと一歩進めたところで、足の裏にぶにゅっとした感触が伝わった。
うげー。なんか踏んじまった。
眉をしかめながら階段の電気をつけると、そこにはバナナの房が無残な姿で横たわっていた。散乱しているバナナは三本。踏み潰したのは一本だけであって欲しいと思うも空しく、どいつこいつも中身がはみ出ている。重症だ。
この様子だと一日ともたないだろう。さっさと食べてしまうのがいいだろうが、もう寝ようというときにバナナを食べたくない。仕方がないので、弾けた部分にはラップを巻き、「踏んでしまった。自分で食べる」という旨のメモを添えて食卓に置いた。正直、三本も食べたくはないが、潰れたバナナを家族と共有しようというのはえげつない。
翌朝、バナナ三本を朝食にした。潰れたところが黒っぽく変色し始めているのがなんとも食欲をそそらない。一本はフルーツカルピスにしようと思ったのだが、運悪く切らしていてどうしようもない。自業自得だ。すべて丸かじりで腹に収めた。
元はといえば俺の不注意だ。
しかし改めて考えれば、往来のある階段にバナナが置いてあることが変ではなかろうか。
他のご家庭ではどうだか知らんが、我が家ではパンとバナナは階段に置くのが常だ。性質上、涼しいところに置きたいものの、そうかといって冷蔵庫に入れるわけにもいかない食べ物の定位置が階段なのだ。そうあるのが自然だと思っていたのだが、よくよく考えてみれば少し無理のある置き場だったような気もする。
当たり前と思っていることでも案外そうでもなかったりする。
バナナ踏み潰しをネタにしようと思わなかったら、食べ物の定位置に疑問なんて持たなかっただろう。物事を伝えようと少しばかり距離をとった時に始めて気がつくこともある。そういうことなんだろう。
バナナを食べ終えたところで母が現れた。
少し呆れたような表情で言う。全部食べちゃったの?三本はかわいそうだから、ケーキにしようと思ったのに、と。
しまった。一人で処理しなければと思い込んだのは早計だったらしい。
このデジログへのコメント
えり宅もこの時期は何でも冷蔵庫に入れちゃう。階段にキティの人形を置いてて蹴っ飛ばして壊した事ある。
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