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「ブルー・バイユー」レビュー☆

2022年11月24日 00:40

「ブルー・バイユー」レビュー☆

ジャスティン・チョン主演他。家族と共に暮らしたい。ただ、それだけ。韓国で生まれ、3歳の時に養子としてアメリカに連れてこられたアントニオ(ジャスティン・チョン)は、シングルマザーのキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、娘のジェシーと3人で貧しいながらも幸せに暮らしていた。ある時、些細なことで警官トラブルを起こし逮捕されたアントニオは、30年以上前の養父母による手続きの不備で移民局へ連行され、国外追放命令を受けてしまう。下手をすると強制送還されて二度と戻れない危機に瀕し、2人は裁判を起こして異議を申し立てようとするが、最低でも費用が5千ドルかかることがわかり途方に暮れる。家族と決して離れたくないアントニオはある決心をする。アメリカ移民政策で生じた法律の“すき間”に落とされてしまった彼は、愛する家族との暮らしを守れるのか?2021年カンヌ国際映画祭に出品され、8分間におよぶスタンディングオベーションで喝采を浴びた、愛と感動の物語。

9/10点!!市民権を持たない養子って何?養子はぬいぐるみじゃないのよ?抜け穴どころか制度として崩壊してない?被害者はすぐに救済されるべきだし、その国の人間は自分には関係ないで済ませていい問題ではない。大切にしてきた、当たり前にあった場所を奪われる苦しみは想像を絶します。どこの国でも法は弱者を守るようには出来ていない。いつだって弱者をどん底に突き落とすのは、本来なら守ってくれるべき法なのだ。"窃盗“はただの“窃盗”であり、その前に「追い詰められた~」などの品詞はつかないのだ。湖での美しく悲しいシーンが彼の歩んできたやるせなく力強い人生を物語っており、彼の人生すべての感情の渦に呑み込まれた。ラストシーンは、言葉はなくとも娘への溢れんばかりの愛に涙が止まらなかった。前半でのアントニオ一家がとても素敵な家族だったから余計に。ジェシーの限界まで呑み込んで溢れた想いにさらに涙腺決壊。こんなに悲しいことある?恐らくアントニオ韓国語を話せないし、そもそも韓国では戸籍があるの?養子で除籍されてるのでは?アメリカの荒波に揉まれてきた彼がもっと荒波に揉まれ続けると思うと、やりきれない。「どうか家族と再会してと幸せに」と願うけれど、あのまま転がり落ちることだって有りうる。人生の善と幸福は殆どの場合、比例しないのだ。色んな人たちの少しづつの悪意が彼を追いやったのなら、彼らはのうのうと生きるのではなく責任を取るべきだ。アリシア・ヴィキャンデルが出てるって知らなかったから、彼女が出る作品は良作が多く、彼女も常識より感情を優先するエモーショナルな役を演じることが多いので、もっと早く気づいて観れば良かったです。2022年公開。

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