- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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出会わない
2005年10月30日 17:30
大学4年生ともなると講義なんてほとんど必要ではなくなります。
卒業に必要な単位はすでに獲得してしまっていて、今年度末ごろには否が応でもキャンパスを追い出されてしまう状態です。
そんなわけでわざわざ講義を履修する必要はないのですが、ちょっとした酔狂で人格心理学なんていうトレンド気味なものを履修してしまったので、その1コマのためだけに週に一度は登校しているのです。
いつもは講義が終わるとともにさっさとバイトへ行くのですが、ふとそれではわびしいと思ったのか、久しぶりに購買部へ行ってみようかと思いつきました。
大学生協の書籍部に足を運んだら、「恋がしたくなる本コーナー」なる胡散臭いものが威風堂々と設けられていました。
どのような基準で選出されたのか定かではありませんが、恋愛をテーマとした小説や恋をしてきれいになるとかなんとかという啓発本、How to本以外の何者でもない恋愛指南書が、これでもか!と言わんばかりに陳列されています。
はあ・・・。
ため息が出てしまいます。
恋愛には商業的価値があります。誰もが求めるがゆえにそのニーズは尽きることはなく、供給することによって収益となるのです。
特に恋愛がしたくて仕方がない大学生にとってはなおさらではないでしょうか。
現在お付き合いしている相手がいる人でも、恋人がいなくて寂しい思いを抱えている人でも、恋に焦がれる気持ちは同じですよ。
ただ、恋愛というやつは相手がいないと始まりません。
自分以外の誰かに胸を締め付けるようなときめきを感じないことにはどうにもならないのです。
恋が成就するという意味では、告白するあるいは告白されることによってお互いの気持ちを確認し、是か非かを選択する必要があります。
しかし、恋心を抱えるだけならば片思いでも十分なのです。つまり、バイト先の先輩でも往来でふとすれ違った人でもいいので、人と出会わなければ恋のしようがないのですよ。
先日、エンドウさんはバイトに遅刻しそうになり、焦りながら自転車を飛ばしていました。
それはもう、軽く信号を無視したり、横断ならぬ斜断をしたりというスリリングな走行でした。
そんな危うい暴走をしていたものですから、見通しの悪い道から大通りに出たときに、右方向から迫ってきていた女子高生の乗る自転車とぶつかってしまったのです。
その存在に気がついたときにはすでに手遅れで、女子高生の前輪がエンドウさんの後輪に突撃することになり、横転こそしなかったものの二人とも見事にバランスを崩しました。
もうね、完全に俺が悪いわけですから、怪我の心配したり謝罪をしたり落ちた荷物を拾って手渡したりするわけです。
そこで気がついたのですが、その女子高生は結構かわいい感じの子なんですよ。
フィクションにおける常套手段として、出会い頭の事故が後々のめくるめく恋に展開していくというパターンがあります。
瞬間的にエンドウさんも若干それを期待してしまったのですが、女子高生は完全に俺を見ておらず、そんな夢物語ぶっちゃけありえないと知らされることになったのです。
出会いません。
先日、エンドウさんは買い物のために訪れた大須をぶらぶらと歩き回っていました。
さてと目的のものも購入したことだしもうそろそろ帰ろうかしらと思っていたら、「ちょっといいですか~?」と呼び止められました。
なんだうるせえな。
それでも足を止めるエンドウさんは律儀で、そのうちバカを見ると思います。
声をかけてきたお姉さんによると、どうも衣服に関するアンケートを取っているとのこと。正直メンドクサイと思ったのですが、時間はかからないのでお願いしますとせがむもんですから戯れに記入することにしました。
書きながら無駄話をしていたものですから、実際には10分以上捉まっていた気がします。しかし、話の中でお姉さんが同じ高校の出身で、しかも2つ下の後輩という驚きの事実が発覚しました。
もうお互いにびっくりしてしまって、しばし懐かしの母校の話題に花を咲かせた後、書き終えたアンケートを渡して別れました。
意外なところに潜んでいた出会いでしたが、彼女は怪しげなアンケートを取るがためだけに俺に接触してきたわけですから、それ以上の関係に発展しようがなく、実際にどうにもなりませんでした。
やはり出会いません。
以上の二点を経て、出会いなんてありえないぜと侘しさを引きずってキャンパスを歩いていたら、ばったりと同じゼミの友達に会いました。
その人が「彼女できた?」と聞いてくるものですから、「俺に彼女なんてできるわけないだろう」と返したら「良かった~」と言うんですよ。
これはもしや前々からエンドウさんに憧れているのだけれどなかなか好きって言えないの・・・ということなのかと思ってどきどきしたら、彼女の薬指に指輪が光ってやがるの。
もう、無駄にどきどきしてしまったじゃないか。どきどきを返してください。
そんなこんなで、出会わないなあと思ったのでした。
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