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幸せな王子

2017年03月25日 00:03

幸せな王子

▼『幸せな王子』(オスカー・ワイルド作)
この話は、ご存じだと思います。
何度も思い出して良い話なので、紹介します。


ある街の柱の上に幸福王子の像が立っていました。
とても美しい王子は街の人々の自慢でした。

南の国へ向かう途中、旅に疲れたツバメが、王子の足元で寝ようとすると、突然上から雨水が落ちてきました。
それは、王子の涙でした。
王子はこの場所から見える不幸な人々に自分の宝石をあげてきて欲しいと、ツバメに泣きながら頼むのです。
ツバメは言われた通り、病気の子供がいる貧しい母親や飢えた若い画家と幼いマッチ売りの少女王子の目のサファイアなど持っていきます。
「ぼくは、目が見えなくなった。
君は街を飛んで、色々な話を聞かせてくれないかい」
まだまだたくさんの不幸な人々がいるのを知ると、
自分の体の金箔を剥がし分け与えてほしいと頼みます。
やがて冬が訪れ、雪が降りはじめました。
王子はみすぼらしい姿になり、ツバメも弱っていきました。
「今まで、本当にありがとう。
でも、ごめんね。
君は楽しみしていた南の国に、とうとう行けなくなったんだね」
「いいんです。ぼくは、あなたが本当に好きでしたから」
ツバメは最後の力を振り絞って飛び上がり、王子キスをして足元で力尽きます。
その瞬間、王子の鉛の心臓は音を立て二つに割れてしまうのです。
「あんな汚いものを除けてしまえ」
偉い人の命令で、溶鉱炉の入れて溶けなかった王子心臓つばめの亡骸はゴミとして捨てられました。
それをご覧になっていた神様は、天使たちに命じました。
「あの町でもっとも尊いものを2つ持ってきなさい」
天使たちはごみ捨て場から「鉛の心臓」と「つばめの亡骸」を持ち、天に向かいました。

▼というお話です。
「幸せの王子」という名前は、王子が生きている間につけられたものでした。
でも、王子自身が幸せを感じられるようになったのは、
銅像になって、人々のために自分を与えるようになったからではないでしょうか。

王子は体がボロボロになっていっても、
心は輝きを失いませんでした。
自分のもっているものを分け与えることで、貧しい人や病気に人たちを助けられたからです。

つばめも、ついに南の暖かい国には行けませんでしたが、悔いはなかったはずです。
大好き王子のために、の尊い願いを叶えるために役に立ったのですから。

▼ふたりは、幸せでした。
自分の望みに従い、愛をもって、愛のために、自分の命を生き抜くことができたのですから。

▼ふたりの魂が離れた体は、町の人たちから「汚いもの」として扱われますが、この物語のラストで、神様がふたりの行ないに報いる場面が描かれているので、救われた気持ちになれます。

▼私たちもの体もいずれ滅びます。
けれど、霊魂永遠に生き続けます。 
私たちも、大きな愛に包まれているのです。


★きっとよくなるヒント★
誰かのために喜ぶことをする。
その人とあなた自身が幸せになれる道です。(^.^)

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