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図書ガイド『苦難の乗り越え方』
2007年02月22日 11:23
人生には苦難が付き物だ。
病苦や貧困、別離など、できることなら経験せずに生きていたいものだが、それらをまったく経験せずに生涯を終えるということは不可能だろう。苦難とは、ただ見舞われるだけの災厄でしかないのだろうか。
人生における苦難の意味について、スピリチュアルカウンセラーとして有名な江原啓之氏が見解を示しているのが本書だ。心霊世界を前提とした生き方を考えるという、スピリチュアリズムを根底に置いている点が大きな特徴である。
江原氏によると、人はみな霊的存在であり、現世には霊格を上げるためにそれぞれの課題を持って生まれてくるのだという。ゆえに現世で経験するあらゆる出来事は自分の魂を磨くための学びであり、喜びはもちろん、苦しみや悲しみもまた感謝すべき経験となる。
それには近しい霊格の人間同士が引き寄せあうという波長の法則や、自分の行いは必ず己に返ってくる因果の法則が関係してくる。持って生まれたものは変えられないが、自分の努力で人生は輝かせることができる。向上心をもって波長を高め、苦難を感動として乗り越えていくことが本当の幸せにつながるというものだ。
スピリチュアリズムいう大前提を信じるかどうかで好き嫌いが分かれるだろうが、精神的に豊かに生きるための人生論を易しく説いていると考えれば、ひとつの指標として捉えることができるのではないだろうか。
しかし、ただそれだけだ。
苦難は享受すべきものであるというメッセージはまったくの見当違いというわけではない。発想の転換で乗り越えられる程度の苦難ならば十分通用する、一種のハウツーだ。しかしながら、メディアで大人気である江原氏のアイドル性がなければ単なる薄っぺらなマニュアル本でしかなく、人生の意味を示しているというにはひどく役不足である。
そもそも、何のために霊格を高めよと言うのか。根拠のない目的が賞賛されるのは、地位や名声を霊格という言葉にすり替えているだけで、本質的には何も代わってないからだ。
階層の法則というものがある。霊界はいくつもの階層に分かれていて、己の霊格に応じた場所に行くらしい。物質中心主義的価値観は愚かであると主張する江原氏であるが、階層の法則というやつはいかにも物質中心主義的な発想だ。ギャグで言っているのだろうか。
また、江原氏は周りの人間は自分の幸せのことばかり考えていて魂のレベルが低いと嘆いている。実際、恋愛や夫婦関係についての利己的な相談が多いそうだが、それはつまり自身が言う波長の法則が当てはまっているということではないのだろうか。そう考えるとスピリチュアリズムも案外、的外れではないかもしれない。
あやふやなスピリチュアリズムで幸せになれる人がいるのも事実であるわけだ。
江原氏と霊格が近しい人にはお薦めの一冊である。
『苦難の乗り越え方』
著者:江原啓之
出版社:PARCO出版(2006/4/15)
ISBN:978-4891947286
このデジログへのコメント
えりは密かに江原啓之と松居一代を尊敬してる。江原さんのビデオや本は大ヒットらしいね。歌も出したし。
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