- 名前
- エンドウ
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- 年齢
- 41歳
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- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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なんのために「させていただく」のか
2007年02月16日 23:54
俺がアルバイトをしている書店では図書カードが利用できる。
図書カードとは出版物の購入の際に額面金額から利用分を減額していくプリペイドカードで、残額がなくなるまで繰り返し使うことができる。現金でお釣りを出すことはできないが、それが利点でもあり、本を買う分には便利なカードである。
残額がゼロになったカードは金券としての価値がなくなるので、客のゴミにならないよう回収するのが店の基本的な方針だ。9割方は処分ということで引き受けるが、中には返して欲しいという人もいるため、処分の可否を聞く必要がある。
馬鹿丁寧にお伺いをすることもできるが、面倒なので「使い終わりました図書カードは処分いたしますか」とだけ聞いている。それで話は通じるので問題はないと思っていた。
しかし、それがまずかった。
先日のことである。
いつものように図書カードを処分するかどうかを尋ねると、「処分いたしますか、とはどういう意味なの」と年配の男性客に食いつかれた。言葉遣いへの油断もあったが、客が言いたいことがまったくわからず、呆気にとられてしまった。
「日本語を全然理解してないね。そこは、“処分させていただいてよろしいでしょうか”と言うべきところでしょ」と言い捨てて客は去っていった。
ふざけるなこの野郎!
「させていただく」なんて、なんでそこまで卑屈になる必要があるんだ。お前はいったい何様のつもりだ。お客様か?なら、店から出た瞬間にボコボコにしてやるよ。
まあ、そんな私憤もさることながら、客の言った「正しい日本語」が気にかかる。
「させていただく」は、相手の許可や好意によって物事を行うという「させてもらう」を謙遜して述べる言葉だ。確かに額面金額を使い切ったとはいえ、本来は客の持ち物である図書カードを店の判断で処分するかと聞いているので、「させていただく」と下手に出るのは適切だ。その点で俺の物言いは乱暴だった。
ただ、「させてもらう」という表現はその行為によって自分に利益がある場合に用いられる。書店側にしてみれば、図書カードの処分を代行するメリットはあるとはいえない。せいぜいサービス向上の一環という程度だ。また、収益のために物事を押し通す場合にも「させてもらう」と言い表す。強気な態度に出ているのに「させていただく」とへりくだるのは、高いところから頭を下げているようで不適切ではないだろうか。
おそらく、処分を前提にしているから話がこじれるのだろう。
図書券と違い回収の必要性がないということによる問題もあるのだが、客の所有物なのだからどうするのかは本来ならば客が判断するべきところなのだ。そこを先回りして過剰なサービスをするから齟齬が生まれる。「いかがなさいますか」とだけ聞いておけば十分だ。
客が主体性を示してくれれば余計なことを言わなくてすむのに、とも思ったのだが。
このデジログへのコメント
サービス業をしてると本当に様々なお客サンに遭遇?するよね。日本語って受け止め方が難しいね。
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