おにぎりは何が好きか？（アニメータ篇）

私がアニメの動画を描いていた頃70年代～80年代動画の単価１枚100円！ 安っ！

※写真は『ＥＲ』 SEASON 7 より

只でさえ生活苦しいのに、当時イベントの設営にまで首を突っ込んでいた。 こちらはNPOの催事で規模は大きかったけど、無給！

好奇心と情熱だけで動ける10代！我ながら、若さって素晴らしい。

イベントの準備には４ヶ月を要した。 その間、職場のスタジオを抜けては都内各所に足を運び、イメージイラストや造作物の案だし、デザイン画等を描き散らかしていた。


いつも、ひもじかったなぁ。

餃子の王将で、30分以内に餃子10人前食べたら無料！ 思わず飛び込んで当然の如く完食するのだが、スタジオに戻ったら皆に嫌がられたこと、嫌がられたこと！


その日も、財布の中身は小銭だけ。
スタジオのそばの商店街で買った一本の焼鳥が、胃袋の中のすべてだった。

設営拠点に着き給水器の水で空腹を誤魔化しながら作業をしていると、遅くなってから差し入れのオニギリが届いた。 焦る気持ちを押さえつつ、手にしたアルミ箔を捲ると、中には青じそのオニギリが！

差し入れは、たまにあった。 ご好意の頂き物に文句を言ってはいけないのだが、正直いつも梅か鮭だと飽きがくる。 そこへ、青じそである。 それも空腹の絶頂期に！

嬉しくて涙が出てきた。


以来、青じそのオニギリは私の中で、とても大事な宝物だ。

何か特別なことがあった時にしか食べていない。

何か特別なことがあったら、必ず食べることにしている。