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ビラビラ

2014年05月22日 06:29

ご存知の通り、わたしはまんこビラビラを整形手術で切除し形をととのえる「小陰唇縮小手術」を受けました。
それがきっかけでまんこアートを作るようになりましたが、やっぱり取材で取り上げられるのは、整形の話がほとんど。
実際、ギョッとする手術なので、人がアレコレ聞きたがるのもわかります。
でも、取材を受けるようになってから、わたしの方がギョッ! というかビラックリ! したことがありました。
スポーツ新聞の男性記者から取材を受けた時でした。
ビラビラを切ったらセックスで感じなくなってしまうのでは、としつこく聞かれ、
何度も「もったいない」と言われます。
さらに驚いたのは、
「だって、(セックス挿入の時に)女の人が興奮するとあのビラビラが大きくなって、こう、クネクネーっとぺ二スにからみついてくるじゃない」
どうも、ビラビラエイリアンのように意志を持ち、ちんこ挿入されるとセンサーが反応して嬉しそうにまとわりついてくるものだと信じて疑わないのです。
包茎の皮と同じ「ただの皮」にすぎないのに。
そしてその間違ったまんこ知識は、男性記者の話では、世のおじさんたちのほとんどが共有しているようなのです。
たしかに、性的な刺激を受けて興奮すると、普段は閉じている小陰唇が充血して膨らむ、とは言います。しかし、あくまで人体の自然な反応のひとつであり、小陰唇が自発的な意思を持ってちんこに絡みつくわけではありません。
なぜそんなおかしな発想になるのかなーと、不思議で仕方なかったのですが、先日、マンボートに関わる技術関係の方を和食レストラン接待する機会があり、そこではじめてアワビの姿焼を見て、謎が解けました。
網の上にアワビを置き、火であぶる残酷料理なのですが、アワビのビラビラが、エイリアンのようにクネクネするんです。
それはまさに、あの男性記者の身ぶり手ぶり通りの動きでした……。

きっとビラビラエイリアンのように意志を持つと思っているすべてのおじさんは、このアワビの姿焼きで間違った認識を持ってしまったのだ! と謎が解けました。いかにも接待で出てきそうな料理ですし。
でも、ビラビラは、ちんこの皮と同じただの皮です。
意志やセンサーなんてないし、エイリアンでもありません。
こんなおかしな幻想が生まれるのも、やはりまんこの実態がモザイクなどで長らく伏せられてきたからでしょうか。
そして冒頭の話に戻りますが、
まん毛問題の時と同じく、ビラビラの持ち主であるわたしに対して
もったいない」と言ってくる背景には、
まんこが「男が楽しむためのモノ」であるという、男の無意識まんこ私物化が存在します。
たしかに、かつてのわたしも「男受けよく」するため、自らまん毛を脱毛したり、ビラビラの形をカスタマイズしました。
しかし、ビラビラを切ってもパートナーに気付かれもしませんでしたし、
まん毛もビラビラも、赤の他人のおじさんたちには「あんないいモノをなくすなんてもったいない」と言われるだけでした。
そう、他人の好みに体をカスタマイズしていたら、キリがないのです。
わたしの体は、わたしのモノ。
そういう大事なことに、体のまん中であるまんこの整形をして、わたしははじめて気づきました。
ビラビラを切ったことはおろかでしたが、まん毛と同じく、やっぱり邪魔なモノがなくなればスッキリします。
生理の時も楽ちん。パンツもあまり汚れなくなりました。
だから、整形を後悔してもいません。
どんな状態であっても、わたしのまんこはわたしのモノ。
おじさんたちを喜ばすために捧げるモノではないのです。
それでも、「もったいない」と言ってくるお化けのようなおじさんたちは相変わらずいます。
今こそ、ワンガリ・マータイさんのように、
いっそ、まんガリ・股~イとして、提唱したい!

わたしのまんこは「MOTTAIARU!」
わたしはおじさんたちのおかしなまんこ幻想まんこ私物化を、ひとつひとつ打ち破り、わたしの体を自分のモノとして取り戻してゆきたいです。
 
■ろくでなし子 /漫画家。日本性器アート協会会員。自らの女性器を型どりデコレーションした立体作品「デコまん」造形作家。著書に『デコまん』(ぶんか社刊)。『女子校あるある』(彩図社刊) 
ろくでなし子ホームページ http://6d745.com/
日本性器アート協会ホームページhttp://www.jsoa.jp/

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