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趣味は読書、暫く「猫」を読む
2014年05月22日 03:16
「猫」は明治の小説で、現代小説の多くが、割りと改行の多い文章が多いのに対して、地の文に会話も含まれ、1ページの活字の密度が濃い。
あれを解体して、会話と地の文を分けたら、ボリュームが3割くらい増すのではないか。しかし、活字だらけだと言っても、難解ではなく、すらすら読めるし面白い。
少し前に「終の住処」という現代の作品を読んだが、これは同じように活字の密度が濃かったが、薄い文体に慣れていたので、相当骨が折れた。
しかし、いくら「猫」が面白くても、やはりいつもよりはペースが落ちる。別に読むスピード競争をしているわけではないが、僕は普段、文庫本1ページ1分を目安にしているか、それよりは大分スピードが落ちる。今、230ページまで。550ページくらいあるから、まだ半分まで読んでいない。電車の行き帰りだけだと、一日40ページ読めるかどうか。暫くは「猫」とつきあうことになりそうだ。
苦沙弥(主人公)や迷亭、寒月、細君、敵対する金田など出ては来るのだが、大抵は、彼等の会話にユーモアがあり、風刺もある。今のところ事件といっては、金持ち金田の令嬢と、苦沙弥の弟子の寒月の縁談、苦沙弥の家に泥棒が入ったことくらいだが、そこで交わされる会話のやりとりや、猫の思考が面白い。それと、主人公が英語の教師という設定なので、文学者や哲学者、科学者などの名前が頻繁に、会話に登場するのと、結構片仮名の外来語が使われているのが、当時としては、新しかったのだろうと思う。
金田の奥さんの鼻が大きいという話は、ずっと出て来るが、今だったら差別と言われるかもしれない。
苦沙弥と細君のやりとりには、明治の夫婦はこんな感じだったのかと思わせられるし、猫が猫可愛がりされず、邪険に扱われるのにも、当時の畜生に対する考え方が現れている。
今だったら、動物愛護団体から、抗議が来るかもしれない。
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