- 名前
- ちゃんぷ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 48歳
- 住所
- 千葉
- 自己紹介
- 10年ぶりに一人暮らしに戻りました。 一人は気楽でいいけど 時々、話相手が欲しくなっ...
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僕の歩く道・・・は、僕しだい
2006年12月04日 21:46
このシリーズ、ホントに長くなってきました。
よんでくださる皆さん、本とにありがとうございます。
登場人物
私・・・一度退職した職場にI君の教育係として復帰
I君・・・電動車椅子に乗った障害者のアルバイター
R君・・・正社員で、I君に仕事をアシスタントしてもらう予定
上司・・・元、私の上司でI君・R君の課の課長さん。
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
正社員のR君同席でI君を注意した翌日、
ちょっとした事件が起こりました。
この日もI君には、私が出勤するまでに
課題を終わらせるように指示をしています。
13時に出勤すると、I君を囲んで
何人かの社員・アルバイターが
やいのやいのとしています。
I君が「胸が痛い」と訴え、
どこの病院に連れて行くのか相談しているとのこと。
おばさん社員にいたっては、
病院に予約の電話してあげようか?
なんてことも言ってます。
私は周りの人たちがお節介すぎると思いました。
今にも電話をしようとするおばさん社員を制して、
私は言いました。
「I君、かかりつけの病院とかはないの?」
「内臓関係はいたって丈夫なもので、
整形外科しかないです。」
こういう言い方出来るくらいなら、大したことないな。
本人の顔色も悪くないし。
「隣の駅近くに総合病院あるから行く?」
「僕の場合、その駅にエレベーターがあるかどうかが
問題なんです。」
・・・・・何、言ってんじゃ、コイツ。
新しい路線だから、駅にエレベーターはあるはずだし、
近いからタクシー使ってもワンメーターでいける距離。
アルバイターとはいえ、払えない額じゃない。
でも、そんな事は言いませんでした。
「帰っていいよ。」
「でも、課題がまだ終わってません。」
「明日でいいから、帰って地元で医者行ってきて。
まだ研修中だし、無理させても仕方ないから。
上司にもR君にも私が報告しておくから大丈夫。
帰って。他のみんなも自分の仕事に戻って。」
上司に怒られるかな?
でもいいや。本人が胸痛いって言うんだもん。
周囲の視線が若干痛かったけど、
これで正解だと思ってます。
初対面の歓送迎会で感じた違和感を思い出しました。
I君は23歳の男性です。
電動車椅子に乗っているだけなんです。
一人で移動も電話も出来るんです。
自分で出来る事を他人が手だしする必要はないんです。
声に出したい気持ちをぐっと我慢して、仕事を始めます。
今日I君が出来なかった課題を
フォローする方法を考えなきゃ。
I君の帰宅後、しばらくして外出していた
上司とR君が職場に戻ってきました。
別室でI君が帰った事を報告します。
怒られはしませんでした。
R君が言いました。
「仮病じゃないですか?
ちゃんぷさんの課題が終わらなかったから
逃げたんですよ。」
この発言に上司はびっくりしていましたが、
咎めるような事は言いませんでした。
上司はI君とどう接したらよいか、
まだ戸惑っているようでした。
R君は私と同様に違和感を感じていたのです。
二人で話をしました。
「俺は、周りがI君を甘やかせ過ぎだと思ってます。
障害者だから、ある程度のフォローが必要なのは
判るけど、やり過ぎ。」
R君は朝当番の例を出しました。
この職場は完全フレックス勤務なので、
みんな出勤時間はまちまちです。
だからといって、朝9時に職場を無人にするわけにも
いかないので、社員・アルバイターが日替わりで
9時出勤して電話当番することになっています。
当番する日は個人の業務状況も考えて調整します。
また、突発的に無理が生じた場合は
社員・アルバイター関係なしに
当番日をトレードするなどしています。
この朝当番をI君は免除されていました。
理由は電動車椅子でラッシュタイムの電車に
乗れないからです。
R君は言います。
9時に職場にいれば良いのだから、
もっと早い時間に出勤すれば良いのではないか。
9時出勤のラッシュが始まる前のすいている時間なら
I君だって電車に乗れるんだから。
障害者に対して、手を貸すばかりではなく、
工夫させることの方が大事なのではないか、
ということです。
目からウロコの発言でした。
同時に、私の心のモヤモヤもすっきりしました。
しかし、苦難は続きます。
工夫させるということは、やっぱりI君本人が
その工夫を考えるべきで、周囲はアドバイスや注意に留め、
手を出し過ぎないようにしなければいけないのです。
翌日、すっかり元気になって出勤したI君と話をしました。
改まった話ではなく、雑談レベル。お喋り。
この職場は、かなり過酷な業務体系です。
残業もかなりの時間あり、アルバイターとはいえ、
見込みがあればどんどん社員の仕事を任せていきます。
I君の前に雇った健常者のアルバイターには、
教育研修初日に
「かなり厳しい仕事だよ。
実務の最初はテレビ局のADみたいに
走り回ってもらうことになるから覚悟してね。」
と、前置きを言っていたくらいです。
仕事のピーク時は徹夜だってするし、
怒鳴られたりするので、
1ヶ月持たずに辞めるアルバイターも少なくありません。
I君に、何故この職場を選んだのか聞きたかったのです。
「それには、まず僕のバックボーンから
話さなければいけませんね。」
そんな前置きをして、I君は話始めます。
生まれつき障害を持ったI君は、
常に障害者の輪の中で育ち、
学校もすべて、自分の意思ではなく、
障害があっても通えることが条件だった。
大学を卒業する時、
本当は大企業の障害者が働く部署へ、
正社員として採用が決まっていたが、
それではまた障害者の輪の中。
このままでは、一生障害者の輪の中で過ごすことになり、
自分の視野が狭くなるのではないかと思い、
就職を断り、アルバイターでもいいから、
健常者と働ける職場を探した、とのこと。
ということは、I君は健常者と同じように
仕事がしたいってことなんだ。
そう尋ねると、I君は大きく頷いたのでした。
一昨日、障害があるから仕事が遅いのも、
間違いが多いのも仕方ないって言ってたじゃん。
って、思いましたが、本人には言いませんでしたが。
「ということは、私も健常者に対する
教育の仕方でI君を教育した方がいいってこと?」
「もちろんです。」
この会話の内容を上司とR君に話し、
I君の教育は他のアルバイターと同じ条件で
やることを決めました。
もちろん、障害があって不可能なことは抜きです。
私の教育はスパルタモードに変更!
実務スタートまで日にちもないので、
I君を鍛えあげることにしました。
実はこの頃、正社員のR君は初期の胃潰瘍で
血を吐いたりしていました。
上司も過労から完全には回復していません。
I君が一人立ちできなくては、業務負荷が減らず、
プロジェクトも暗礁に乗り上げてしまいます。
だから、I君にもプレッシャーをかけます。
I君が日常のルーチンワークを一人で
こなさないといけません。
R君・上司は、I君の障害があって
不可能なことは手助けをするけど、
それに頼ってはいけません。I君の意識改革からです。
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むくろじゅさん
乞うご期待!って、内容のログが書けてるでしょうか?
とうふさん
I君は、基本的にはお喋りな男の子でした。
kazeさん
今となっては、貴重な経験だったと思います。
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