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「はじまりのみち」レビュー☆

2013年05月22日 00:57

「はじまりのみち」レビュー☆

加瀬亮主演他。「二十四の瞳」などさまざまな傑作を世に送り出し、日本映画の黄金期を築いた木下恵介監督の生誕100年記念作。木下恵介の弱く、美しい者たちに注ぐ暖かい眼差し。その源にある母・たま(田中裕子)の姿に注目し、戦中、血気盛んな映画青年として軍部に睨まれ、松竹を一時離れるきっかけとなった「陸軍」の製作時のエピソードを織り込みながら、母子の情愛を描く実話を元にした物語。

7/10点!!木下監督の作品は、3作品くらいしか観てません。でも、これは観たいと思っていたので、行ってきました。木下監督の作品世代の方はもちろん、そうでない、作品を知らない方でも、家族の物語として感情移入出来る作りになっていたのが、良かったと思います(^^)木下監督が、「陸軍」での母親の描き方を問題視された事をきっかけに、松竹を一時離れ、病気の母親を連れて、疎開するという、監督の人生のほんの数日間だけを描いているのですが、監督の人生そのもの全部を観たかのような気持ちにさせられて、原監督が、木下監督を敬愛しているのが、画を通して伝わってきました。前半は、「静」の世界観の中で、夜の音だったり、鳥のさえずりだったり、川の流れの音だったりが、深々とした山越えのシーンを支えていて、後半は、少しだけ「動」で、恵介と便利屋濱田岳)が川辺で語らうシーンが、当時出すことの許されなかった、当たり前の人間の素の感情を吐露していて、それを映画で描く事の何がいけないのかという恵介の強くて苦しい想いが伝わってきました。こうやって、頑張った人たちがたくさんいて、今たくさんの作品を見ることが出来てるんだって、改めて思いました。恵介が、「もう作りたいものを作れる日は絶対に来ない。」と、諦めかけた時に、母・たまが、道をきちんと指してあげるのを見て、どの時代の母親も、母はこどもの道しるべであって、子どもはそんな母親を大事に想い、互いに思いやる絆より強いものは人生でないと、しみじみ思いました。とても人に寄り添うような感情表現が多いので、「私の家族はどうかな?自分はどうかな?」と自分に照らし合わせて観ていました。ラストの監督の作品プレイバックは、流石に知らないと、一旦泣き終わって、まだやっているくらいの長さなので、(作品がたくさんあるので)その世代でない人は置いてけぼりかなと思いました。個人的には、加瀬くんとユースケさん、濱田くん、3人とも大好き俳優さんなので、いつもより個性抑えめで、でもキラリと光る地に足がついた演技が見られて、良かったです♪2013年公開。

このデジログへのコメント

  • ユリ 2013年05月22日 07:27

    > GRAYさん
    記念作品っていうところを理解していかないときついかもしれません。短編としては素晴らしいと思いましたが(^^)

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