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Exit through the giftshop を見る

2012年09月24日 00:04

以前、町山智浩さんが紹介していた
Banksyの映画、exit through thegift shopを見ました。
ストーリーはなく、全編フランス人おっさん
ストリートアーティストを追いかけていくというドキュメンタリーである。

簡単なあらすじ
アメリカ地方都市で洋服屋を営むティエリーというおっさん
いつでもどこでもテレビカメラを回すのが趣味。
ある日、いとこの家でカメラを回しているといとこがタイル
インベーダーゲームキャラクターを制作しそれを街のいたるところに
貼り付けているのを知ってストリートアーティストに興味を持ち始める。

いろんなアーティストを追いかけて行くうちに
Banksyという世界的に有名なストリートアーティストの存在を
知り彼らと接触を試みるようになる。

しかし、Bansky
反体制派のイラスト世界中の街の至る所に
書き残しており顔を隠して活動している
隠密芸術家集団で外部と接触することは
ほとんどないにひとしい。

そんな彼らの信用を得るために
ティエリーは運転手になったり、援助したりしていく
家族や家の家業もほっぽり出して。
そのうちにBanskも彼を信頼し始めて製作スタジオを見せたり
行動を一緒にするようになる。しかし、ここから話は急展開する。

ティエリービデオカメラで撮影した映像はとったら撮りっぱなしなのだ。
そこへBanksyは映画を作って見ないかと提案したのだ。
しかし、残念ながらティエリーカメラを持つ情熱はあっても
アーティストとしての才能は皆無でBanksyは自分たちが
編集すると言い出した、しかもティエリーを主人公として。

ティエリーは多くのストリートアーティストに触発されて自分でも
アートを始める。それは今までであったアーティストたちの模倣だった。
彼自身が筆を取ることはない実際に作品を制作するのは彼に雇われた
芸術家の人たちだった。さらに思い上がった彼は店も売り払い
ロサンゼルスで自分の大規模な個展を開くことにする。
しかし、無名の親父の絵など誰も見にくるはずもない彼はBanksyをはじめとする
有名なアーティストたちに推薦文を書かせてそれを新聞に掲載する。
彼の未熟さを心配したBanskyディーラーが助けにはいるが
ティエリーは収容人数や絵をどこに飾るのか、何もかも全く構想が
ないまま始めていたことにびっくり仰天。
しかも彼らがアドバイスすると、自分の命令に従えという始末。

展示する絵も結構お粗末で
アーティストからまるパクリして
作ったものばかり、しかも彼自身が書いたものでもない
Banskyたちは彼の宣伝隊としてまんまと利用されてしまった。

そんなこともあってか個展満員御礼
全くの素人おっさんがBanksyさえも超えてアーティスト
成り上がってしまったのである。
もちろん、今まで好意的だったアーティストたちは彼を無視。
しかし彼は今もアーティストを自負している。

おわり

感想
アート価値観っていうのは本当に曖昧。
芸術家一生懸命作ってもその絵を好きで見る人と
投機の材料にしか思っていない人もいる。
村上隆のバカみたいな絵が何十億で落札されたりする。
アートの価値っていったいなんなのか、
Banskyはこのアホなフランス人を材料にして問いかけてくるようだった。
banksyたちはちゃんと自分たちで絵を書いて計画して
時には命がけで絵を書くのである。
悪ふざけはあっても洗練されている芸術だからこそ世界中にファンも多いのだ。
が、この芸術かぶれしたフランス人おっさん芸術家になってしまった
のは絵を書いている人からすればムカつく人間である。
自分で作ってないのにちょっとペンキを飛ばしただけで
自分のアートだと言い張るんだから!

まぁ、このおっさん結局
こういう形で世界中に自分の無知蒙昧さを露呈できたんだから
Banskyスッキリしたんじゃないか?

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