- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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繕い物
2005年07月07日 22:50
靴下に穴が開いていました。親指の、ちょうどの先が当たるところです。
ここはもっとも磨耗する箇所ですから、破れてしまうのは当然のことですね。次いでよく擦れる部分は踵であるかと思います。
穴が開いた靴下というものは往々にして履くことのなくなるものであり、ゴミへの一路をたどるものですね。
子どもの頃、具体的には中学生の頃までは、母親が破れたところに裏から布を当てて繕ってくれたものです。
そう、エンドウさんの家庭がちょっと貧乏であることによるのかもしれませんが、かつては衣料を修繕しながら使い続けることは当たり前でした。
物を大切にするというわけではなく、そうでなければ財政的に負担が増えるので物を使い切るという発想だったのでしょう。
当然と言いますか、流行にも無縁で、成長期は別として数年は同じ服を着るということもざらでした。
季節のサイクルごとに衣料品を買い換えるなんてとても考えられない。
消費社会に思いっきり背を向けていたような家庭でした。ちなみに半ば現在進行形です。
しかし、いつしか反旗を翻しました。
色気づいたんですね。
首もとの伸びたTシャツなんか着ていられるか!穴の開いた靴下なんか履いていられるか!と、消費社会の仲間入りをしました。
自分で衣服を買うようになってからは、穴の開いた靴下は処分して新しいものを買い足すようにしました。
俺自身も継ぎ当ての目立つ繕った靴下を履くことに抵抗を感じるようになってしまいましたからね。
ところが、今日は少々思考の具合が異なっていました。
それはもう突然に、破れた靴下を捨ててしまうことが非常に気になってしまいました。
穴が少し開いただけなら繕ってやればまだ十分に履けるのではないか・・・と思ったのですよ。
今までの考え方とまったく逆の発想ですね。
思うが早いか、裁縫道具を持ち出して靴下の穴を繕い始めました。
ちなみに、エンドウさんは決して裁縫が得意と言う訳ではありません。取れたボタンをつけなおす程度のことは出来るのですが、その程度です。
ですから、破れた靴下を補修するというのは、本当に前触れのない突然の行動であったのですね。
その様子を見ていた妹が「お兄ちゃんっていつも突然だよね」などと評していましたが、まったくその通りなので「いつものことだろ」と返しておきました。
さて、繕うといっても継ぎ当ては嫌なのでやりません。
ですから、破れたところを縫い合わせる方法で繕うことにしました。
余談ですが、この時に今までうまく出来なかったコマ結びが出来るようになりました。思わぬ副産物ですよ。予想外のところで小さな達成感を得てしまいました。
話を戻しましょう。
高等な技術などは持ち合わせていませんから、それっぽく縫い合わせていくだけの模倣なんですよ。
模倣の元は子どものころに見た野外生活の本の一項であると思います。確か、破れた服の繕い方についての図解でした。
もしかしたら、その記憶が今回の突発の一因であったかもしれません。
縫い終わってみると、跡はわかってしまうものの意外と丈夫に仕上がりました。
さすがに修繕が入ったものなので、そう長期に渡って状態が維持できるとは思いませんが、とりあえずはよしと言ったところでしょうか。
そこでおもしろくなってしまいました。
理由はよくわかりませんが、とにかく靴下を繕うことになぜか妙なおもしろさを感じてしまったんですよ。
一足だけ試しに繕ってみるつもりだったんですが、気を良くしたエンドウさんはタンスに突っ込んであった穴の開いた靴下を全て引っ張り出しました。
繕った靴下は計五足。
そんなに破れた靴下があったことには驚きましたが、それ以上にそれら全てを補修してしまった自分の突飛な行動に驚いてしまいました。
別に物を大事に使おうと言いたいわけではありません。
やはり、どうしても縫い目は気になりますから日常的に履くことについてはためらわれます。絶対に靴を脱がないような、バイトしかないような日以外は着用しないでしょう。
もし見られてしまったら・・・「ビンテージだ!クラッシュ加工だ!」と言い張って切り抜けたいと思います。
ああ、すごい無理。
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