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泣きながら一気に読みました
2006年07月13日 02:11
「泣きながら一気に読みました」
柴崎コウによる片山恭一著作の『世界の中心で、愛をさけぶ』の紹介文です。
天邪鬼な僕は泣きもせず、むしろ読んですらいないのですが、この感動的な青春の恋物語は異様な熱気を伴って人気を誇っていた記憶があります。
原作の小説は300万部を超えるベストセラーであり、2004年5月に映画が公開され、同年7月にはテレビドラマが全11話+特別編という構成で放送されました。また劇場公開に先駆けてコミック版も発売されていました。
原作が刊行された2001年当初の売り上げはあまり芳しくなかったものの、先に記した柴崎コウのキャッチコピーによって有名となり、映像化によって加速的に販売数を伸ばしていったという経緯を持ちます。
この作品は紛れもなくメディアミックスの申し子であったわけです。
そんな『世界の中心で、愛をさけぶ』の文庫版が7月6日発売されました。
「泣きながら一気に読みました」に代わり、「待望の文庫化」という出版社の期待を感じずにはいられないコピーが載せられた帯を付けたスタイルでの登場です。僕のバイト先である書店は高い売り上げを期待できる商品と見込みを立てて100冊を入荷しました。さらに小説コーナーの一番目立つ場所に特等席を構え、存分にアピールが施されました。
しかし、これがまた全然売れないんですよ。
現時点での売り上げ数はあろうことか1冊という低迷ぶりであり、この調子だととてもではありませんが売り上げは見込めず、大多数を返品するということになると思われます。
早くも結果を決めてかかりますが、敗因としては遅すぎた文庫化という点に尽きるでしょう。いや、慣例に比べればむしろ早いほうなのだと思いますが、完全に時期を外しているので、決定的に遅かったのです。
『世界の中心で、愛をさけぶ』はとにかく話題作でした。
様々なメディアでもてはやされた当時であったならばともかく、2年もたった今となっては、言葉は悪いのですが食べカスみたいなものです。見向きもされなくても仕方ありません。
にわかに湧き出たファンに支えられたこの作品は長らく愛されるようなものではなかったのでしょう。突如として現れて注目を集めた果てに忘れられていく、一過性の娯楽にしか過ぎなかったわけです。
文庫とは廉価・普及版の書籍ですが、文庫版が発売される前に作品が消費され尽くしてしまったのはなんとも皮肉なことです。
『世界の中心で、愛をさけぶ』によって流れていった「涙」はなんだったのやら。
もし感動が消費の副産物に成り果てるとしたら、とんでもないホラーですね。
このデジログへのコメント
この話題作をえりは未だに知らないよ。ドラマも映画も見てないし原作も読んで無い。
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