- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 41歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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保育士証がきた
2006年06月12日 21:53
自分は接客業に向いていない。
そんなことはよくわかっていたけれど、今はアルバイトという程度の関わりながらも書店の店員として接客業をひとつの仕事としています。
手近な求人の中にあり、従業員特典として書籍が若干安く購入できるという点が数少ない魅力です。バイトを始めるまでは「本を扱う仕事」に少しばかりの憧れもあったわけですが、実際のところはサービスの媒体が書籍というだけであって、本に親しむものではありません。まあ、商品知識として本のことには詳しくなりますし、本屋の知らざる裏側のようなものもわかるようになりますがね。
接客業とは字が表すがごとく、客と接することを業務とするものです。相手にするのはあくまで「客」であり、「人」ではない。僕はそう思っています。
「お客様は神様です」なんて有名な言葉もありますが、そんな殊勝な関係があてはまる接客業はあまり多くないのではないでしょうか。自分と客を隔てるカウンターは取るに足らない仕切りであるのに、精神的な意味合いでは非常に大きな壁です。
バイト先には10年以上のキャリアを持つベテランアルバイトのおばさんがいます。
商品知識は正社員の方々のそれを上回りますし、笑顔を絶やさない態度や丁寧な言葉遣いは接客業の鏡と呼ぶのがふさわしいでしょう。週当たりの勤務日数も随一であり、店の中核ともいうべき欠かすことのできない人物です。
まあ、僕は嫌いですがね。
好みの問題です。その丁寧な接客が、非常に事務的で軽薄な表面上の応対にしか見えません。うん、悪意のある文章ですね。それはともかく、模範的な接客に対する疑念は子どもへの態度によって確信へと変わります。
「ほーら、シールぺったー。よかったね~」
「ぴーっ、させてね~」
袋に入れるまでもない文具などに会計済みを表すシールを貼るとき。バーコードを読み込ませるために子どもが放そうとしない本を預かろうとするとき。ご機嫌伺いのごとき猫撫で声で子どもに話しかけるわけです。その声は粘り気を帯びていて、ぞわぞわと背筋を這うので不快なこと極まりない。
僕は客が好きじゃない。
会計が終わったときに「ありがとう」と言われれば、それはとても嬉しい。しかし自分の都合でばかり押し付ける客が少なくない上に、基本的に「お客様の言葉は絶対」であるわけですから、従業員として接するより他に選択肢はありません。
傍目には客を嫌う僕は差別的な人間と映ることでしょう。ただ、客と従業員という立場を徹底して丁寧な接客を心がけるおばさんと、無愛想な僕のどちらが人間に対して差別的かと考えるとどうなんでしょう。
僕の態度も相当問題ですが、答えは自ずと決まると思うのは傲慢ですかね。
人と接するという意味で、僕が学んでいた保育の分野は紛れもなく人間同士の関係の上に成り立っていました。
ではさぞかし子どもと遊ぶことが上手なんだろうというと、まったくそんなことはありません。むしろ不器用であり、遊びのひとつもまともに提供できません。そのため保育課程では底辺みたいなもんでした。特に実技に関する場面では、いかに避けて通ろうかなんてことを思っていました。
そうして迎えた保育所実習。奇しくも保育課程でも指折りの実力者と一緒に実習をすることになった僕は、比較されることを危惧しつつも、子どもが彼女のほうに集中してくれれば楽になる・・・なんていう悪いことを考えていました。
しかし、現実は人気を二分するというとんでもない状態になりました。
女の子数人に「セーラームーンごっこしよ」とせがまれました。おいおい俺にタキシード仮面でもやれっていうのかよ恥ずかしいぜ・・・と思っていたら、「悪者になってボコボコにされて」とのこと。もちろん甘んじて袋叩きになりましたよ。
また、飛行機だかなんだか知りませんが、翼のごとく腕を広げた子どもを水平に抱えて走り回るという疲れる遊びがあります。保育課程のトップが仮想実況を交えながら飛行機をしている一方で、僕はといえば「重い」だの「もう下ろしていい?」と文句をいいながらやっていました。それにもかかわらず、僕のところに来る子どもは絶えませんでした。
子ども受けがよかった反面で、先生からの評価は決してよくありませんでした。
僕が保育の技術を持っていなかったからに他なりません。子どもが好きという気持ちがスタートになりますが、技術が伴わなければ保育の仕事は勤まらないでしょう。
ひとりの人間が育てることのできる人数は2~3人が限度であり、数多くの子どもの保育を一人の保育士が引き受けるというのは相当不自然な状態であると考えています。子どもはかわいいだけの存在ではなく、人間です。そして、人間とは複雑なものです。
そんな存在を一挙に引き受けるわけですから、専門的知識と技術が必要とされるのは当然です。それがいらないというのなら、保育士自体が必要ありません。
ただ、それも保育士が子どもに近いもの、好かれる何らかの要素を持っていることが土台となります。技術だけが一人歩きするのは、子どもにとっても保育士にとってもつまらないことです。
保育士登録機関から保育士証が送られてきたので、少しばかり学びを反芻しました。より納得できる道を選んで保育を後にしたわけですが、学んだことは自分の中に活きています。
保育分野に就職した友人たちは今頃どうしていることやら。
このデジログへのコメント
接客業歴は長いけど実は苦手。でも今は人との繋がりや優しさを感じながら配達してて楽しいよ。
保育士さんの資格を取得したのは立派だと思う。これからどんな職に就くかわからないけどきっと役立つよ。
はじめまして★☆保育士取得おめでとうございます♪
私も保育士してるんですよ~♪
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