- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 41歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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対話篇
2006年06月06日 14:19
昼時の真夏日みたいな気候に比べると、日暮れ以降はとても過ごしやすい。半分ぐらい開けた窓から涼しい夜気が流れ込んでくるのは心地よいものだ。
快適な気分でパソコンに向かっていると、不意にメールの着信を知らせる音が鳴った。松任谷由美の『やさしさに包まれたなら』、そのオルゴールヴァージョンだ。
自分で設定しておきながらどのカテゴリに当てた着信音だったかを忘れてしまっていたのだが、送り主の名前を見て、友人のカテゴリであったことを思い出した。
「恋愛にさ、見た目って重要なんかな??」
そんな、どうでもいいような問いを投げてよこしたのは、大学で同じゼミだった友人だった。ほとんどの友達が就職した中で、更なる学びを求めてとある大学に編入した奴なので、進学した俺にとってはある意味で学友である。
恋愛経験というやつを付き合ったことのある人数だけに規定するならば、片手で事足りる俺は初心者だ。若葉マークをつけて事に臨んでもおかしくはない。
そんな俺に恋愛相談を持ちかけるなんて選択ミスだと思うのだが、何を思っているのかこの学友は肝心なところで俺を頼ってくる。
知るかバカ!・・・と言いたい。言えない。
「アイドルみたいな女の子と不細工な女の子に同時に告白されたらどっちを選ぶ?なんだかんだ言っても、第一印象は大きい。好みの外見じゃなきゃやだ!って人なら、なおさらだと思わないかい?もちろん、友達付き合いをしているうちに印象が変わって、外見はどうでもよくなることはある。でも、いきなり内面に踏み込むなんてありえないから、まずは外見からだ。必ずしも重要なことではないけれど、避けては通れないことだと思うよ」
「なるほどね。好みのタイプか。俺は不思議だけど好きになる子は大体顔が今まで好きになった子と似てるね。なんか親近感がわくんだよなー(笑)」
「じゃあ、それが○○くんの好みのタイプなんだろうな。俺はあんまり一貫性はないかも。あと、アイドルみたいな容姿の子は確かにかわいいとは思うけど、整いすぎててなんか怖かったりする(笑)」
「整っているのが怖い??どういうこと?ってしつこく追求するところではなかったね(笑)」
お互いに文末を(笑)で締めているが意味合いは異なる。俺は「なんか怖かったりする」を深刻なこととして受け取って欲しくないから茶化すために付けた。友人のそれは隠しきれない好奇心の表れに他ならない。
「まあ、好みではないってことさ。かわいさを悪い意味で武器にしたりしそうでさー(笑)もちろん偏見だけどね」
そう、まさに偏見だ。そんな奴を何人も見てきたせいなのだろう。開き直るつもりではないが俺は偏見を否定しない。偏見を持っていないという奴はよほどの人格者か、偽善者だ。
「今、友達が一年生が多くてさ、みんな見た目で選んでいるみたい。でも俺も一年の頃はそうだったから懐かしいなって(笑)見た目から入る恋愛もあっていいかな」
「外見も中身もいいに越したことはない。外見で選んでも付き合っていくうちに魅力が出てくるかもしれんし、実は性格もいいかもしれん。恋愛ってのは本人の思ったとおりにやればいいと思うんだ」
「そうだよね。でも、どこか俺の中で「段階」があるんだよな。まず友達として長く話していってからゴール、みたいな(先生流恋愛)。これが俺も理想だと思うけど、相手としてはそれがいいわけじゃないしね・・・。タイミングが合わないね」
ゼミの先生は、人格者の部類に入る人間だった。先生の持論は正論であり、その思考法は友人に色濃く影響を与えている。俺も先生を尊敬しているが、ひとつの師としてにしか過ぎない。友人は言っちゃ悪いが、ちょっとかぶれているのかもしれない。
「それは個人の理想であって一般論ではないからね。ちょっといいかなと思ったらとりあえず付き合ってみて、ダメだったら別れるみたいな軽い付き合いを好む人もいるわけだし。恋愛価値観の合う相手を探すか、理想の擦り合わせをしていくかになるんだろうね」
「先生がいう恋愛観がすべてではないけどね・・・。今の子のニーズにはちょっと合わないのかもしれないね。夏までに作るって意気込んでいる人が結構いるみたいです(笑)」
「軽い付き合いが好きな友達に先生流を説いたら、「はあ?重すぎ。死んでこい!」っていうね絶対。人それぞれだわ。まあ、夏はイベントが多いからね。相手が欲しいんだろうさ」
「季節にあわせて作るもんかねー、って言ったらそれも重いのかもね(笑)俺は俺流の恋愛しますわ」
数日前にもこの友人から相談を受けていたのを思い出した。自分は人生経験が足りないから今までやってこなかったこと、ギャンブルや風俗を経験してみるべきだろうか・・・というようなものだった。
確かに未踏の経験から得るものもあるだろう。しかし、人には持って生まれた性っていうものがある。そんなことは君には向いていない。無理をしても自分が傷ついて後悔するだけだ。後悔から学ぶだけの覚悟があれば話は違ってくるだろうが。
そんな答えを返した。
「この前も言ったけど、人には性があるからね。意見は参考にしつつも、自分流で恋愛するのが一番だよ。きっと」
「それを俺は待っていたのかもしれない。「人には性がある」。ありがとうm(_ _)m」
「どういたしまして」
携帯を折りたたんで、放り投げる。
やれやれ。
このデジログへのコメント
友達から相談されるのはエンドウさんの人柄だね。えりは何事も自分流を大切にしてるよ。
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