身体の部分的な痛みがボクとキミの間で取り交わされた汗が現実のものだったことを明かしてくれる

明け方から、種種検索にて吐き気
どうにも、身体を睦び付け合うイメージがわかず
夜の食事だけ、場所を決め、そこから逆算してみるものの
違和感は消えず

JR駅にて、7時半待ち合わせ
今度は自分のBirthDay
タクシーにてホテルの密室
9時間のうち、半分はつながっていただろう
やっと、フィジカルな理解に達し
ようやく、快楽と愉悦のプロトコルを手にする
ボクは午前中に一度
彼女は少なくとも、4度

お互い、激しい発汗
ふたりの胸と胸の間、しとどに濡らし
ぴちゃぴちゃと、音を立てる

望みを口にされ
これでもか、というほど深く、強く、ときにやさしく
奥深くまでつきすすむと、
これでもか、というほど、ボクをきつくつかまえ
へし折ろうとする力が加わる

夢とうつつの端境で、たいらかな、おだかやか、真っ白な時間
ボクの背後に回した手に、あらん限りの力を込めて、すがりつくように
なだらかな下降線の途中で、
ときおり、びくっ　びくっと　全身を震わせる

薄暗がりの夢の中から
ゆっくりと現実へと舞い戻ってくる姿
とても、美しく
ボクはその漂うような、やすらかな眠りともつかぬ、
目を閉じた姿に、目をこらし、記憶に刻む


セックス、嫌いなのかと思ってた

わたし？セックスは好きだよ　とても

ひとよりも？
友達とそういう話はしない？

ひととくらべたことはないけど

身体、とても、熟れている気がする　年齢よりも

あははは　
よくわかんないけど、経験はあまりありません

そうとも思えないけど、
貪欲とも思えないのは、
まだ彼女のことが、よくわかっていないのだろうか？

密室を出ると、すでに夕方の終り
跨線橋を渡りつつ、Hにtel
中国リサーチの話

名残惜しく
肌を触れていたくもあり
慶喜墓の傍らを
手を繋いで歩く

街灯が並ぶ路面近くで
手をほどき、あえてもう、
きかずもがなのことを、
彼女に尋ねてみる

彼女の、必死の営みの
その熱さが、まだ身体の裡から冷めぬ間に
自分への、確認の意味もこめ


いま、好きな人はいない？

うん、今はいないよ
キミのことは好きだけど

恋愛　ぢゃ、ないんだよね？

うん


もう、そんな会話は必要ないんだけど
ならば、なぜ、と再び思う
彼女のみずみずしい肉体
伸びやかな張りのある肌を思い出しながら

ボクがその不思議を解決できないのは
不条理を理で解き明かそうとしているから
ひらたくいうなら、
おんなのこの性欲や、生理、
あるいは彼女のセックスが、まだよくわかっていないから、なのだろう

坂道と階段をくだり
古今亭志ん生親子の写真をレクチュア

いくつかの店をひやかし
彼女の誕生日に口惜しい思いをした復讐に寿司

老主人、女将さん、お元気
予定を変更した客、人数が増えるとかで、カウンターを奪われる

しかし、相変わらずの美味

ばくだん
カニ爪、古漬け、カニサラダ
ひらめ、鯛、シメサバ、コハダ、あわび、まぐろ　トロ、子持ち昆布、などつまみ
えんがわ　赤貝　帆立　雲丹　握り
麦酒3本にて6500円
筋子雲丹いくらとんぶりのばくだんに、軍艦酢メシ
ｙｐ感激の態

根津、不忍池まで歩き
ベンチにて水面に揺れる上野のネオンをみつめつつ　キス　ハグ

もう、お別れと、割り切れるわけもなく


焦ってるみたいだよね

ううん

でも、そうかもしれないよ
夏の終りの、蝉みたいに

屈託なく、どこか遠い明日をみつめるように
自分のこれから、を見つめているのだろうか？


彼できたら？

報告するよ

ボクに？別に、いいけどそれは(笑)、
でも、逢えなくなるよね、多分

できるのかな？わたしに？彼？

キミがこころを開きさえすれば

わたしはいつも、Open　Mind　ウェルカムだよ


そのまま、山を越え、地下鉄の駅まで送り
じっとまた、後姿を見つめていると
どういう風の吹き回しか
こちらを一度だけ振り返り、
口を結んだまま微笑みを投げ掛けてから
小さく左手を振る

Hの家
５つ駅を通り過ぎ、二駅戻りすぎ、
結局一時間もHを駅に待たせる

Hの家に着き、
椅子に座り脚をもうひとつの椅子投げ出し
下腹部に手をやると
恥骨周囲に、軽い痛み

彼女の、ヒップに
汗をしたたらせつつ、
激しくぶつけ続けた
そのための
身体の悲鳴ときしみのような痛み
どんよりと、
下腹部を覆う