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美しいキミの姿が脳裏からかすんでしまう前に記しておくべきこと 壱

2009年09月10日 06:34

美しいキミの姿が脳裏からかすんでしまう前に記しておくべきこと 壱

キミが、4、5時間前に
先に寝入ってしまったボクをみつめながら、
どんな思いを抱いていたものか、

それがさびしさや、悲しみに近いものであったとしても、
ボクにはそれをかえりみる余裕もなく、

あと、数時間で、この街をあとにし、
キミを独り占めすることもできなくなってしまうことに
激しい悔恨と焦燥に、襲われつつ
朱色のカーテンの向こうからやってくる
朝のひかりに浮かぶ、
やすらかなキミの寝顔を、
じっと見つめていた

そして、
隣のベッドから、手を差し伸べて
何度かキミの名を呼んでみはしたものの
キミには起きる気配もなく
あぁ、これが、今のボクに相応しい待ち焦がれた時間の結末と、
諦めきれるものか、どうか、
けれどどうしても、キミのベッドに
忍び込むようなことだけは
したくなくて

自分の気持ちを確かめるように
昨晩、プレゼントされたブラス製の栞をはさみこんだ
甘粕正彦の本を紐解いていると

かすかな声とともに、
キミのシーツがこすれる音がして、
キミが目覚めたことを知る

そしてボクは
キミの名を、もう一度
確かに声に出し
かすかに開かれた目を見つめ
手を差し伸べて
キミを自分のベッドへと
誘い、
キミを抱きしめ、
キミを嗅ぎ
唇を当て、
キミを確かめると
キミのからだは、
ボクという存在を迎え入れることが
充分可能と思われる反応を
示していて
その事実だけで
ボクはとても、昂ぶる

静かにキミの中へ入ると
キミは全身をこわばらせ
一度、
そして
もう一度、
待って、と口にする

こんなに激しく濡れているキミを前に
ボクはいったい、
何を待てばいいんだろう?

そんな、思いを抱きつつ
ボクは二度とも、
キミの言葉に応え
こころも、頭も
あらゆる判断を止めると、

ボクの肉体は、
行き場を喪い
瞬く間に中心であることを止めてしまう

それから
どれぐらい
時間がたっただろう

ボクはもう、
禁じていた告白の言葉を口にしてはいたけれど、
ボクの言葉は
透き通ったキミの身体を
あっけなく、通り抜けてしまい
キミの身体は、
その言葉に
響くところが、何もない

燃え上がるほど
熱く
溢れるほど
濡れているのに

ボクは再び
キミとつながり
キミはその間じゅう、
泣きそうになりながら、
苦しそうにあえぎながら、
こころを受け入れることを
拒みつづける

快楽の反応として、
ボクをへし折るかのように
力強く、締めつけているのに

その峠を越えて
キミの肉体から
急速に、潤いが喪われたことに気付き
ボクは慌てて
キミから外に出て
キミの決断
受け入れたことを
精一杯の言葉で返す

そうなんだ
うん、わかった
なんて、理由を確かめることもなく
ちっともわかってなんか
いないくせに

けれども、
いままで、ずっと
恋愛ではない、って
思いつづけてきたし、
云いつづけてきた

それを
そのことを
確かめるための時間が
今、だったような気がする
それだけは、わかった

どうかんがえても、
これは、恋愛ぢゃない、って
身体を重ねても
契りを交わすことにならない
素通りしたボクの言葉は
キミの身体に、何も残さないまま
どこかへ消えて行く

裸でいることが
なんだか気恥ずかしくなるほど
ぽかんとした時間が過ぎて

シーツの上に
美しくすべらかな白いヒップを晒していたキミは
まるで旅を終えるかのように
きっぱりと、
かっこよく、鮮やかに
どこかキミのありかたと
不釣合いなほ
大人びた、黒っぽい
薄手の下着を身に着け

ボクはその後姿に
おいてきぼりにされないよう、慌てて
ベッドサイドに
自分の下着を探す

そして、
疲れも痛みも
なにも残っていない身体を
訝ることも、呪うこともなく
次々と服を着けていく

何処にも冷たさをしのばせているわけでもなく
観方によっては、昨日より暖かく生めかしくさえ思える
ぴかぴかした、キミの笑顔
つい、いましがた、
激しい熱と潤いの渦の中に確かめた
この上もなく美しかった、恍惚の表情を重ねながら・・・

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