- 名前
- 絵梨菜
- 性別
- ♀
- 年齢
- 55歳
- 住所
- 京都
- 自己紹介
- 小柄なのでいつも若くみられます。^^ 楽しくメールできる方、待ってます。
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優しい嘘は。。。
2009年04月27日 19:31
優しい嘘は、時として哀しい。
優しい嘘は、すぐにバレる。
優しい嘘に、
騙されたフリをしている。
父方の祖母は、私達、孫を可愛がってくれた。
母のことも可愛がっていた。なにかと良く相談に乗ってくれていた。
子供の頃。
祖母に連れられて百貨店へよく行った。
月に一度。それが唯一の贅沢。(笑)
京都の四条河原町にある百貨店へ行き、
七階の食堂でお昼ごはんを食べて、
帰りにロンドン焼を買って帰る。
別になにを買う訳でもないのだけど、綺麗な服やおもちゃ。
幼い私には、百貨店は伽噺の世界。。。
「えりちゃん。おもちゃ買ってあげようか。」
「うーん、、、ええわ。欲しいもんない。。。」
手にしたリカちゃん人形をそっと元にもどした。
「ゆきちゃんは、ミニカー欲しいか?」
「えーとぉ。。。また今度でええ!」
ノンビリ屋の弟も遠慮の2文字を覚えたようだ。
「お兄ちゃんに内緒やで。」
祖母は、笑いながらリカちゃん人形とミニカーを2台手に取り販売員のお姉さんに渡した。
お昼は、決まって七階の食堂へ。
私と弟は、お子様ランチ。(王道だw)
祖母と母は、一番安い、すうどん(かけうどん)か、ざるそばを食べていた。
「あんた、ざる蕎麦すきやねぇ。」
「ええ。さっぱりしてますからねぇ。」
贅沢をしにきたつもりなのだけど。
貧乏性の二人は贅沢はできない。(苦笑)
ある日。
祖母は、なにを思ったか突然。
エビフライを注文した。
大きな海老が二匹。お皿からはみ出て偉そうだ。
(美味しそう。。。でもプリン乗ってないな)
自分のお子様ランチと見比べていた。
「やっぱり。ざる蕎麦がええなぁ。交換して!」
そういうと、母のざる蕎麦を取り上げて、自分のエビフライと交換した。
「あんた。これ食べといて。」
遠慮していつも一番安いものしか食べない母に、祖母は優しいウソをついた。
晩年、祖母は、伯父の家から出なくなった。
母が様子を見に行くといつも笑顔で迎えてくれた。
「みんな元気に暮らしているのかい?」
「ええ。元気に学校へ行ってますよ。」
「コウゾウは、相変わらずか。。。」
「このところ、真面目に働いてくれてますよ。」
年老いた祖母に、母は優しいウソをついた。
「コウゾウはちっとも顔を見せないねぇ。」
入院先のベッドの上で、祖母は寂しそうだ。
「気にはしてるのですがねぇ。仕事が忙しいようですよ。
近いうちに来るっていってましたよ。」
繰り返されるウソは、優しい。
優しすぎて、時として哀しい。
祖母は、騙されたフリを続けた。
「ありがとうね。」
「世界一、幸せなババやな。」
手を擦る度に、祖母は笑った。
祖母の優しいウソは、彼女が逝く日まで続いた。
(ほんまに世界一幸せやったの?)
七人の孫達を愛してくれた。
「同じように可愛いんやないで。
みんな、それぞれに可愛いの。」
個性派揃いの孫達を目を細めてみてくれた。
「おばあちゃん、ありがとうね。」
「世界一、幸せな孫やな。」
私も優しいウソをつこう。
このデジログへのコメント
> rousillonさん
空の上で、二人してざる蕎麦食べている姿を想像しました。^^
崩壊家族だと思ってたけど。幸せだったんだと。
優しいウソはまだ続く(謎w)
> hayatoさん
優しい人だとウソをついている。
優しい人間だと自分を騙している。
騙し続けておこう。。。
> ノンビリ カメさんさん
本当のことは。時として、人を傷つけることがありますからねぇ。
ウソも難しいけど。正直であることは難しい。
> ノンビリ カメさんさん
言葉は、人間の武器ですからねぇ。
凶器にならないように注意しなくてはね。
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