- 名前
- callo
- 性別
- ♂
- 年齢
- 58歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- ドキドキさがして ときどき うろうろ・・・
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新しい恋を探すためには、捨てなければいけないことが山ほどある、ということに今更気付いたということ。
2009年04月19日 18:43
確定申告を終えた、次の日
打ち合わせに臨んだ。
彼女は明らかにボクを拒んでいた
「あなたは、脚本家かもしれないけれど
作詞家ではない」
それが、彼女達の主張だった。
ボクはどういう顔をしていいのか、わからないまま
こう口にするしか、なかった。
「なんだか、恋愛の邪魔をしているみたいだね」
その日の夜から、ボクは彼女が恋をしている、と思しき対象を
徹底的に調べた。
『想像もつかない刺激』
を受けるという、さねよしいさことのコラボ作の詩も、
つぶさに解体し研究しつくした。
彼女達は、うかつだった、としかいいようがない。
なぜなら、恋愛の対象とみたてていた作詞者のことを
ほとんど、何も知らなかったのだから。
ボクの作詞者や、詩作について述べる言葉に
彼女達は明らかにうろたえていた、と思う。
彼女達は、それに無言でいるか、
或いは、ボクの反応をうかがうような
言葉を口にするのが関の山、だった。
コラボ詩も、ひどい出来だった。
『想像もつかないものを作ってくれる』
は、アンコントローラブルな立場の
苦渋の告白でしかない
ボクにはそう思えた。
脚本家ではないにせよ、確かに詩人ではない
けれどその程度の言葉に、尻尾を巻いて逃げ出すほど
謙虚でもないボクは
そこに、活路を見出した。
彼女に一瞬でもいい、
こちらを振り向かせてみよう
それは可能なはずだ
なぜなら、彼女は恋愛なんて、していないんだもん
ボクは周囲の危惧や、横槍を徹底的に無視し、
彼女へ向け、直接言葉を発しつづけた
それは殆ど、彼女へ向けた求愛と同じ、
ラブレターを延々と送りつづけたようなものだった
ボクが恋愛を仮託できる構造のリアリティは
もう、過去でしかない、恋愛遺産の中に
はいて捨てるほど、転がっていた
バッハのカンカータ
映画のタイトル
人の名
見下ろした街の光景
交わした言葉の数々
ボクはそれをバラバラに解体し
しゃぶりつくすように、利用した
二度と甦ることのないよう
抱きしめるような、或いは殺意にも似た
熱い想いを込めて
ボクの熱に溶かされるかのように
彼女は何度も合意の言葉を、繰り返して来た
おそらく彼女は、ボクの確かな愛情を感じていたと思う
そしてその意味において、
最後に残った言葉たちは、
膨大な捨てられた言葉達の上に建つ
墓碑銘のようなもの、かもしれない、と思う。
この2週間余り
一切の言葉を記すことも
美味いものを食べることも
酒を飲むことも、自らに禁じ
全てとは云わない、
たくさんのことを喪いつつ
つくりあげた、Epitaphに
合掌
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