デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

バートルビーと仲間たち

2009年02月27日 20:01

バートルビーと仲間たち」という本を読みました。このバートルビーという言葉(名前)はハーマン・メルヴィルの物語に登場する代書人の名前に由来しています。バートルビーは(僕はメルヴィルの「代書人バートルビー」という小説をまだ読んだことはないのですが)読書もせず、新聞さえ読まず、いつも窓から外をじっと見つめているだけで外出もしないで事務所で過ごし、世間とのかかわりももたない人間だそうです。
 作者エンリーケ・ビラ=マタスは、この本の中で「バートルビー症候群」という言葉を用いて、「文章を書けなくなった小説家・作品を発表出来なくなった芸術家」を示していきます。
 あの19歳で素晴らしい詩集をすべて発表しつくし、残りの人生は砂漠商人となって文学的沈黙にいたったランボー、自らは一行の文章もかかなかったソクラテス、それどころか自分の写真すら撮らせないトマス・ピンチョンサリンジャー。まだまだ「バートルビー症候群」の患者たちの列挙は続きます。21世紀文学とは何かを考える上で、この「書かない、もしくは書けなくなった作家たち」について考察した本は非常に有意義であり、特にスペイン語圏の作家が好きな読書人にとっては、まことに興味深い本です。

このデジログへのコメント

まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

tarashi

  • メールを送信する
<2009年02月>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28