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そして、私たちは愛に帰る

2009年02月11日 22:31

そして、私たちは愛に帰る

原題は「天国のほとりで」です。
全部で三章からなり、第一章は「イェテルの死」、第二章「ロッテの死」、そして第三章が「天国のほとりで」です。
 「イェテルの死」では、年金暮しをドイツで送るトルコ人の男性老人が、イェテルという娼婦出会い彼女を金銭で自分の家に住まわして「自分と寝ること、自分とやること」を言い渡します。この男性アリは、男手一人で息子を育て上げ、その息子ネジャットは今やドイツの大学で教授をしているのですが、ネジャットは父アリの粗野な態度を好きではありません。アリは心筋梗塞を起こして入院したのに、退院後、タバコを吸い始め、それを言い咎めたネジャットに反抗し、息子ネジャットとの仲を邪推されたイェテルが出て行こうとするのをアリは殴り倒し・・・。
 ネジャットはトルコでイェテルの娘、アイテンを探すのですが・・・。
 「ロッテの死」では、そのアイテンはトルコで武装反体制グループに属し、偶然入手したピストルをビルの屋上に隠しドイツに逃亡します。ドイツの大学で知り合ったロッテシャーロット)という女性と意気投合し、ロッテの家に住むのですが、ロッテ母親はアイテンと深い仲(同性愛)になるロッテの態度の気持ちが理解できません。官憲につかまり、トルコ強制送還されたアイテンを追ってロッテトルコにわたるのですが、面会をしたロッテにアイテンはピストルの回収を依頼するのです。依頼されたピストルを子供のすりに奪われ、そのピストルであっけなく殺されてしまうロッテ・・・。
 第一章と第二章で、関係のある人物たちが、お互い知らずにすれちがっていきます。
 また、2つの棺はおなじTurkish Airlineでそれぞれの国に運ばれるのです。
 さて第三章は、ネジャットと、ロッテの母スザンヌの物語です。実は、ロッテトルコでネジャットの家の部屋を借りていたのです。そこに訪ねて行くスザンヌ。二人で親子という関係を改めて考えていきます。そして、憎んでいた父親を実はネジャットは心の中では・・・。
 釣りに行った父アリの船を海岸に座り込んで待つネジャットの姿が、エンドロールが終わるまでずっとずっと続きます。
 素晴らしい映画でした。

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