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おくりびと 脚本がスレてる感じ?

2008年11月07日 23:28

今、評判の映画をしばらく前に丸の内ピカデリーで見ました。開始時間ぎりぎりで2階席だったのですが、2階はけっこう空席がありました。でも、映画が終わった時に一階席を見降ろしたら、けっこう観客が入っていたので、その人気がうかがえました。
 小山薫堂の脚本がうまいです。
 いきなり、初めての納棺をおこなう大悟元木くん)が若い死帯の清拭を遺族の前でしていると、「ん?」とうろたえて、山崎努演じる上司社長佐々木に交代するのですが、佐々木も清拭を続けると、「ん?」となる。その、厳粛な儀式の中のコミカルなシーンから映画が始まります。
 そして、大悟がまだオーケストラチェリストだったシーンとなり、そのオーケストラの解散へとつながります。
 ここで、簡単に大悟と妻(広末涼子)の性格紹介もされていきます。
 あとは、山形で若い夫婦が出会う人々を紹介するシーンが続くのですが、小山薫堂の脚本がうますぎて、「あ、このおばちゃんはきっと死んだときにスカーフを・・」「あ、父親にもらったこの石は、きっと父親との再開で・・・」その他、伏線がわかりやすいほどにたくさん出て、これがまた思った通りの使われ方をします。
 死と「生き物を食べる」行為の比較というのもこれまで何度も映画(だけでなく他の芸術分野でも)使われてきた行為ですし・・・。
 つまり、小山薫堂の巧みな脚本でこの映画はある完成度に達しているのですが、どれも陳腐このうえないのです。しょせんテレビ番組の一級品っていうレベル。
 とてもいい映画であり、面白いのですが、意外と主題の掘り下げは浅く、監督・脚本の今後の作品に期待するものです。

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