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マルタのやさしい刺繍

2008年11月03日 20:58

「負けないおばあちゃん映画」とでもいってよいジャンルの映画です。「カレンダーガール」なんかもそうですね。
 銀座シネスイッチ銀座に開始時間の30分前に行ったのですが、一階はほぼ満員。二階席にもぽつぽつと人が入り始めているくらい盛況でした。
 物語の舞台は、スイスの山奥の谷間の小さな村。そこで、一人の老女マルタがさびしそうにテーブルにならんだ、ナプキンを束ねる二つのリングナプキンリングとでもいうのでしょうか)を眺めているシーンで始まります。ひとつにはHansと書いてあり、夫が死んだばかりなんだなってわかります。彼女の落ち込みは深く、友人たちも、息子夫婦も心配しています(息子は村の牧師です)。
 そんな、マルタのもとに、古くなった合唱団の団旗のほころびを繕ってくれという仕事が飛び込みます。マルタ裁縫がうまいので評判なのです。昔、今は亡き夫の希望であきらめたものの、彼女ランジェリーショップを持つのが夢だったのです(それもシャンゼリゼに!)。
 団旗の生地を買いに街まで友達3人と一緒に行き、マルタはかわいいレースきれいな生地を目の当たりにし、むかしのランジェリー作りへの情熱がよみがえります。
 友人の(夫を探しにアメリカにまでいったことがある)リジーの勧めもあって、マルタは夫やっていた雑貨屋を閉めてランジェリーショップを始めるのですが、なにしろ古い慣習の村ですから、みんな反対!息子なんて、勝手にランジェリー商品を運び出して捨ててしまいます。施設に入所している友人がマルタランジェリーインターネットで売り出したところ・・・・。
 最後まで強硬に反対していた、町の有力者であるフリッツを、合唱コンクールの席でコテンパンにのして・・・・。
 当り前の物語で、当たり前の結末なのに、とても心が温まる映画です。
 総合的に、非常にバランスがとれた映画となっています。
 見て損はしません。

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