physical　affair

Ｋくんと夕刻から呑む
呑みすぎてもアレなので、
お金を少しだけ持って、出る。


やきとん屋
餃子屋へ行くも
まだ営業前

すでに予兆はあったのか、Ｋくん、
やきとん屋にかばんを忘れる

駅前の立飲み
夕立に遭遇

餃子屋
餃子三皿
それでさえ食べすぎだと思うのに、Ｋくん

「何皿食えるか、やりませんか？」

・・・高校生ぢゃないんだから。

もう、おなか一杯と帰宅
途中、Ｋくん、

「財布がないす」

二人で暗くなった商店街を
目を凝らして行ったり来たり・・・

最後に一人で探しているとＫくんからtel

駅前交番に届いている、とのことで一件落着

「さぁ、これから呑みましょう」

冗談ぢゃねえや

別れて、
一度帰宅し、川沿いの街へJR、地下鉄を乗り継ぐ


差し向かいで
おんなのこと飲むなんて
ずいぶん、ひさしぶりなきがする

たっぷりと、杯を重ねてはみたものの
胸の渇きを抑えることができず
やがて彼女が欲しくなる

ボクはテーブルの向かいに行き
彼女を抱きしめ
髪の匂いを嗅ぎ、
それから後ろを振り向かせて
露になっている背中にキスをする
なんども
なんども
なんども。

そして首筋に、舌を這わせると
彼女のからだはもう
ぐにゃぐにゃになってしまう

ボクは彼女の都合をも省みないで
乱暴に彼女の
いろんなところを
むしゃむしゃと、食べ始める


土石流、のような、セックス
などと書くと、
どこか一方的に流され、
主体性を喪っているみたいだけれど、
そうではなくて、
この一年と、その前の半年と
いろいろあったすべてを、
圧倒的に
シズル感たっぷりな
美味しくて、
素敵な身体で
拭い去ってくれた
だから、
その力を評して、
土石流
と、言ってみる


インターバルの長さ故ではなく、
どこかボクの身体は
ぎくしゃくと錆ついていて、
十全な受け応えに足りない
ほころびをさらしてしまう

けれど、いろいろな意味合いにおいて
感謝。
そして
感激

もっと、いちゃいちゃしていたかったけれど
なるべく音をたてないように
彼女の部屋を後にしたボクは
朝焼けの陽に照らされるプラットホームで
彼女の香りがのこっていないかと、
指先を見つめ、匂いを嗅ぎ
それでも物足りなくて
人差し指から順番に
舌先で確かめる

美味しくて、素敵な
彼女の味は
でも、もうしない

ボクの身体はそのまま、
次のphysical affairに向けて
休眠状態になる

次にボクの身体が目をさますとき、
目の前にあるのは
また、
キミの素敵な身体でありますように・・