- 名前
- エンドウ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 40歳
- 住所
- 愛知
- 自己紹介
- 飲食店で激務の傍ら、休日は愛車と気ままなお出かけをすることが多かったのですが、最近は...
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イマイチ
2006年02月03日 22:39
今日の気分を一言であらわすなら、イマイチ。
目が覚めたときからどこかぼんやりとしたものが頭の中を渦巻いていて、どうもしゃっきりとしない。
布団にもぐりこむ時間は遅かったけれど、8時間は眠っていたので寝不足ということではないと思う。もしもそうだったのだとしたら、思考だけを尖らせて、人を寄せ付けないような壁を作っているはずだ。
僕は眠いときほどあれこれ考えるのがわずらわしく、機械的になれると思う。
しかし今日の様子はそういう感じではなくて、いろいろなものの境界が曖昧になって霞んでいるような感じ。ちょっと気味が悪いかもしれない。
バイトも何もない日だから布団に包まっていてもいいのだけれど、起きることにした。引っ張りあげるように身体を立ち上げる。
久しぶりにお買い物でもしようかしらと思い至った僕は、バターとジャムを塗ったトーストを口の中に押し込み、よく噛まずに飲み込む。じゃぶじゃぶと淹れたぬるい紅茶をすすりながら時計を見ると10時を過ぎたあたりだった。
トイレに行って、身なりを整えて・・・。30分もあれば出発できるだろう。
新聞の天気予報で気温が低いことを知っていたので、おしゃれよりも防寒を優先して服を選ぶことにする。どうせコートを着っぱなしになるんだろうから、その下なんて見られることを気にしなくていい。もこもこのほかほかでいこう。
準備を終えて外に出ると、雲がすごい速さで流れている様子が見えた。おまけに、いつもよりもずっと近いところにある。低い雲はどんな天候を表すものだっただろう。どこかで聞いたような気がしたので思い出そうとしたのだけれど、できなかった。
ただ、ひとしきり強い風が涙を誘った。
僕の移動手段といえば、だいたいが自転車だ。
さすがにはるか遠くまでは行けないけれど、片道一時間ぐらいなら近場のコンビニへ行くような感覚でペダルをこぐ。風を切ったり圧されたりするのはけっこうおもしろい。
さて、自転車を相棒にいろいろなところを見て回ったけれど、相変わらず気分はぼんやりとしたまま晴れることがない。
服やカバンを見てもイマイチ。
玩具を手にとってもイマイチ。
本屋に立ち寄ってもイマイチ。
少しぐらい心動かされることはあっても、はっと目が覚めるようなことはなかった。
結局、何も買う気になれなかった僕は家路につく前にレンタルショップに行くことにした。
アクションでもホラーでもいいから、ぼんやりと眺めているだけで楽しめるものがないかと思ったのだ。
ホラーコーナーのラインナップに視線を流していると、5歳ぐらいの子どもが僕を見ていることに気がついた。
その顔に見覚えがあった。どこで会ったのやらと記憶を探ると、昨年度の保育所実習でお世話になった保育園にいた子だと思い至った。5歳児クラスにいた子だったから今では小学生か。ちょっと懐かしい顔だ。
けれど、向こうはもしかしたら僕のことを正確に思い出せないでいるのかもしれない。どこかで見たことがあるような気がするけど・・・と首をかしげているから。まあ、一年ぐらい前にちょっと遊んだだけだから無理もない。むしろ、よく記憶に引っ掛けていたと感心するところかもしれない。
話しかける気はなかったし、かといってまるっきり無視するのも気が引けたので、会釈のようなものだけしてその場を後にした。
帰宅して自分の部屋に腰を落ち着けてから、忘れかけていた保育所実習のことを反芻し始めた。ビデオを借りなかったから、その代わりみたいなもんだ。
11月と、翌年の2月に2週間ずつ行った保育所実習は、当時はちょっとばかしイヤイヤだったけれど、今となっては懐かしい思い出になっていた。先生の保育や指導から学んだり、背が高いもんだから身を小さくして子どもと遊んだりして、いろいろとあった。
ただ、5人も6人も寄って集ってきて押しつぶされそうになったことだけはいただけない。
正直、保育課程で僕は劣等生だったと思う。
講義中はよく寝ていたし、実習指導の先生の言うこともあまり聞かなかった。ピアノはまともに弾けなかったし、パフォーマンスというか子どもが喜ぶような遊びをすることも苦手だった。手遊びなんて指がつりそうでとんでもない。
そんなもんだから、器用なことはほとんどできなかった。だから、それこそ身ひとつで子どもと向き合うしかなかった。けれど、意外なことにたくさんの子どもが懐いてくれた。
ふしぎ。
そういえば、僕にも彼らみたいに誰かにひっついたり、一途に遊び倒した時期があったんだよなあ。悲しいことや悔しいこともあっただろうに、いつまでも楽しかった思い出だけしか浮かんでこない。
大人になって、子どもよりも考えたり思ったりできるようになった。ちっちゃい頃の僕にこんな文章なんて書けやしない。
世界ははるかに広がって、その密度を増しているはずだ。
けれど、時々感じるこの暇はいったいなんなんだろう。
イマイチわからないので、僕はまどろむことにした。
このデジログへのコメント
子供って敏感に何かを感じ取る力がると思う。大人になると感情が鈍感になっちゃうのかな?
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