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はかないこと

2008年04月08日 19:33

こんなことで自分がはかなさを感じるのは無意味なことかもしれないけれど・・・。
ただ、どうすることもできないから、どうしてあげることもできないから、

わたしは通勤の行き帰り、自分の健康のこともあって、地下鉄の駅にして2駅分を歩いています。

そんな道すがら、朝いつも足の不自由な女の人を追い抜きます。
彼女は両足の股関節が悪いのでしょうか、両方の足を交互に引きずるようにして、上半身の動きと足の運びにタイミングを取りながら、わずかな歩みで一生懸命に歩いています。
普通の人の歩みの何十分の一かのスピードです。

その人をある日も追い抜きました。
これまで何気なく後姿を見て追い抜いていたのですが、考えたら、彼女が家を出て電車に乗って、駅のホームから地下街を経て、地上の歩道を歩いて、信号のある交差点を越えて、それも不自由な脚でわずかしか歩めない脚で、毎日それらの行程を歩いていることを思うと、気の遠くなるような歩みに愕然としました。

それ以来、私はその人を追い抜くたびに、目頭が熱くなり、涙がこみ上げてきて仕方がありませんでした。
哀れみだったのでしょうか、不自由な足をおそらく恨んだことでしょう。健常な人を見て悩んだこともあるでしょう。
想像もつかない苦しみの中で、このように歩いている姿を見ると、言葉に表せない気持ちが込み上げてきて涙が止まらなくなっていました。

今朝もその人を追い抜いて、同じ思いとともに新たな思いが脳裏に浮かんで、熱い涙が消えていきました。

わたしが、行きずりの人にそんな思いをしたところで、何ができるわけでもないし、この人に手をさし伸べることすらできないのに、余計な同情でしかないのです。

人の世のはかなさを感じるとともに、何もできない自分にはかなさを感じて、身体と心が冷たくなりました。

いやなことですが、それが現実なのです。(イヤだイヤだ!)

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