趣味は読書、この世の端

東日本大震災の時、会社にいて、帰るのを諦めて、その日は会社に泊まり、土曜日仕事をして帰った。
東北があんな惨状になっているのは、帰ってからテレビで知った。
部屋のテレビが倒れていたのが、地震の大きさを物語っていたが、僕自身は何の被害も無かった。
コロナで自粛は強いられたが、最低限生活は出来るし、解除の見込みもだったので、この先も何とかなるだろう。
これは、僕が運が良い方だっただけ。
時折、特に幸福ではなく、不幸な人の心情を考えたりする。
気の毒にとか、かわいそうにとか思うが、それと同時に何故この人にこのようなことが起きているのか。
何故自分では無かったのかと思う時がある。
人生は平等ではない。
生まれる時も、死ぬ時も選べない。
高校野球が全部中止になったり、オリンピックが延期になったり、有名人が死んだり、会社が潰れたり。
仕事を半日にして、家に帰ったり、週に四日休んだり、ほとんど家にいてテレビを見たり。
帰ったら手を洗い、うがいをし、顔も洗う。
外出にはマスクをして、買い物前にはアルコール消毒をする。
巣籠もり時間を持て余し飽きてしまったり。
苦痛は苦痛だが、大したことはなかった。
酷い目にあった人、この先も会い続ける人は沢山いる。
僕は、このコロナ禍では、前回の地震と同じように中心ではなかった。
端の方で、漂っていただけである。
もがくことさえ無かった。
一寸先は闇とか人生万事塞翁が馬という諺を思い出す。
今回も運が良かっただけだが、いつどうなるかは神のみぞ知るのだろう。