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43歳の過ち その6

2018年08月27日 20:29

楽しい時間はあっという間に過ぎる。

「そろそろ私、戻らなくっちゃ。」
僕は、彼女の車まで彼女を送ることにした。

歩き出してすぐ、僕は彼女と手を繋ぎたくなって、その手に僕の手を伸ばす
彼女は一瞬戸惑ったけど、笑顔で手を繋ぎ返してくれた。

二人とも黙って歩いていく
でも、何て言うか、心地よい沈黙。

ああ、ずっとこうして歩いていたい。
そう思ってる間にも、ゴールが見えてきてしまう。

もう少しで、あなたは家族の元へ帰って行ってしまう。
でも、今だけは僕の、僕だけのあなたでいて欲しい。

僕は、駐車場の手前にある自販機のところで立ち止まった。
彼女が不思議そうに僕の顔を見る。

もう、このタイミングしか残されていない!勇気を出すんだ!!

次の瞬間、僕は彼女の手を引いて、自販機裏の物陰に、、、
ここなら、人目につくこともない。
「今日は逢ってくれてありがとう」
そう言ってギュっと抱き締めた。

抱き締められた彼女は、とても驚いた表情を浮かべて身じろいだ。
そのせいで、そこで決めようと思ってた初めてのキスはお預けになってしまった。

彼女を見送ったあと、送られて来たメッセージ
「さっきは本当にビックリしました。けど、嬉しかった。
でも、本当にこんなおばさんでいいの?」

「いや、おばさんじゃないし、あなたが良いんだ。」
改めて僕は好きだと伝えた。

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