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冬の彼方へーーー出社

2014年12月31日 04:02

冬の彼方へーーー出社

美紅はいつもより1本遅い電車に乗ることになった。当然、朝のバタバタのせいだ…。と電車に揺られながら美紅は思った。
1本遅いだけの車両だが、心なしかいつもの乗客の顔ぶれも違い、人数も多い気がした。
乗り降り口付近にやっと立っているのが精一杯、周りの乗客に揉まれるような状態だ。美紅は足を思い切り踏ん張ってバッグを胸元に抱えるようにしっかり握りしめた。
その時だった。電車がカーブで速度を急に落とし、吊革を持たない乗客のかたまりは、ウエーブをするように大きく揺さぶられた。美紅の体は自分の意志と関係無く足がよろめき、隣の乗客の真正面に、ちょうど美紅のはちきれんばかりの胸が当たってしまったのだ…。
「キャッ、あ、すみません…!」
当たったのは背の高い、180cm位はあろうか、男性だった。
「いや、こっちは大丈夫大丈夫ですか?」
その声に顔を向けると…見覚えのある顔と声…。
「あれ!?神崎君?…だよね?この電車、乗ってたんだ?」
美紅は驚いた声で聞いてしまった。
「あれっ!如月さんじゃないですか!偶然だなあ!」
そう、神崎。神崎理は確か32才で、美紅の仕事の同じチームの同僚だ。だが今まで電車が同じとか、同じ方向で会ったことはない。
「神崎君っていつもこっちから来てたっけ?それにしては会ったの初めてだよね?」
「それが…昨日用事で実家に帰って、実家から出勤してきたんですよ。
会社にも近いし、今日飲み会遅くなったら、また実家に泊まりに行くかもしれないし」
「そうなんだ、知らなかったわ。でもほんと偶然だよね、時間も同じ電車に乗ってくるとは。
私は逆に1本いつもより遅かったんだけどね。」
そう話ながら、美紅はさっきの場面を思い出して少し赤面した。
そういえば、私まともに神崎君に胸を押し当てることになっちゃってたよ…。
やらしく思われなかったかな…。
一方、神崎は神崎で、美紅の大きく弾力のある胸が自分のお腹あたりに当たってきたことを思い返し、
如月さんって意外と巨乳なんだ…と思い、実際、彼の男性部分は熱くなりかけていたのだ…。

このウラログへのコメント

  • 海ぶどう 2014年12月31日 05:15

    なるほど!そっちの展開ですね。
    電車の中で何か始まるのかな?

  • goodlooking 2014年12月31日 11:01

    今夜の飲み会の帰り何かありそうだね
    期待します

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