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- 我ハ墓守也。
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終わりのない旅
2014年11月01日 03:04
皆様、ええ金曜の夜中を過ごしてはるでしょうか。
巷はハロウィンやらで賑やかですな。習俗として見るとどうやらアイルランド辺りが起源で、非クリスチャンの習俗に対して妙に寛容というか興味津津の米国で商業化されたものが世界中に輸出された、と解釈するのが妥当なようですな。
今や我が国同様、欧州でも立派に商業イベントですわ。米国の影響力に驚くばかりです。
さて。
先日好評をいただいた駄文「旅の終わり」の続編、勢いに乗り当日に表で書こうかとも思ったのですが今になってしまったのは私の不徳の致すところです。
前稿の駄文の趣旨は、「旅の意味は自宅に戻るところにある」という主観的なテーゼでしたが、世の中にはそうではない、ベクトルがループではない、一方向に伸びるだけの旅がある、というのが本稿の言わんとするところです。
それも、旅人の意思に拠らず、止むに止まれず一方向になってしまう旅。
分り易い例で言えば国際法で「難民」と定義される人達です。戦争やら政治的な迫害やらで故郷を追われ、生活の基盤を破壊されたが故に国を逃れて、新世界に活路を見出さざるを得ない境遇に置かれた人達。
この人達は、帰りたい、というより旅という手段に訴えることすら望まないのに、生活の場を追われた、という気の毒な事情を持って移動の手段として旅をすることを強いられた人達です。
残念、というか、我が国が戦後に惰眠を貪っていたが故というべきか、我が国民にはこうした人達への共感というか、支援する気持ちが余りないように見受けられますな。
しかしこれは当事国の隣国から見ると、正に自分に関わる話であり、傍観するだけで済まされないのは当然です。
そしてこれは、歴史上、遠い過去に起こったことではなく、現在進行形で起こりつつあり、今この瞬間にも「難民」という括りで語られる人達が量産されている事実を我々は認識しているでしょうか?
米国がオバマという指導力、ビジョンに欠ける指導者を選択し、仏がホランドというこれまた調整型で指導することが根っから苦手という指導者を選んでしまった不幸に端を発するとはいえ、現在中東で進行中の国境を否定する民族自決の動きは何とも世紀末の酸味を感じさせる事態とわしは感じています。
いや、「イスラム国」に関しては、民族自決などではなく、大国のPower playの狭間に生じた真空をすかさず捉えて「建国したぜ!」と一方的に宣言し勢力を拡大して行った、というのが実情でしょう。
元々、中東の国境など先の大戦の終戦時に連合国が一方的に宣言した人為的なもので、現地の人達にそうした由来のものを尊重する気持ちがなくても一向に不思議ではない性質のものです。
そして大戦後にはイスラエルという国家が誕生し、以来中東は慢性的な戦争状態に置かれることになります。
しかし、ユダヤ人にとってはこれは当然のことです。遂に手にした自分の国。国土。どんな犠牲を払ってもこれを守り抜き、次の世代に受け継ごうと考えるのは至極当然。
我が国では理解されていないように見受けられますが、ナチ以前の欧州でユダヤ人が受けた迫害は相当のものがあったようです。
ナチはそこに乗じ、あのような狂気の「殲滅」政策を立案し、大した反対を見ることもなく実行したのでしょう。
話が逸れてしまいましたが、わしが言いたいことはイスラエルが原因になっているものを含めて、中東には多くの難民が発生し、故郷に帰る見込みを持たず放浪を強いられている人達が多数いる、という事実です。
その人達の生活を想像してみると、運良く家族で戦地を逃れられたとしても、国連なりが運営している難民キャンプまで辿りつける保証は何処にもありません。移動の間中、銃弾に怯え、食料の確保に悩み、夜は子供達を何処に寝かせるかに胸を痛める生活を強いられる訳です。
そしてそうした生活を強いられる前に、自宅を購入し、苦しい生活から爪に火をともすように貯蓄をし…といった苦労があったとしても、そのような難民生活の始まりと共に全てを捨てることを強いられる訳です。
正直な話、平成の我が国に暮らす我々に彼らの心情、心労、喪失感を想像、共有することは難しいでしょう。
それは我々の祖父の世代が、文字通り命を投げ出し、我々の世代がこうして平安に生活することが出来るように戦ってくださった遺産なんやと思います。
そして我々の父母の世代もまた、個人の幸せよりも「復興」を主眼に働き続けた。
その結果、独と並んで我が国は「敗戦国」でありながら世界最高水準のStandard of livingを達成した訳です。
そうした事情はあるにせよ、我々は世界で起こりつつある、運命に抗う術さえ持たない人達が日々故郷を追われ、家族と共に少しでも安全で、安定した生活を送れる土地を目指し、ループを持たない旅を続けている現実を忘れてはならない、と思う訳です。
そうした現実を考えると、自宅に戻ることが目的の旅が如何に幸せであることか。
我々はそれを忘れないようにしたいものです。
そして。
中国共産党が率いる中華人民共和国は遠からず崩壊します。
その時に、「難民」という括りで定義される人達が何千万、ひょっとして何億という単位で我が国に押し寄せます。
我が国の国民が1億人ですから、当然ながらそんな数の難民を受け入れる余裕は我が国にはありません。
その時どうするか?
政府にはきっと、シミュレーションがあると思いますが、そのシナリオはどれも、とてもではありませんが一般的に受け入れられるものではないと思われます。
そうした現実がいつ、我が国に押し寄せても不思議でないのが現実です。
ハロウィンで子供達を怖がらせるまでもなく、現実は極限の恐怖に満ちています。
皆様、良いハロウィンを。
そして、自宅に帰って安堵のため息がつける旅をしてください。
このウラログへのコメント
> 菜実さん
その通り。しかも人道的に受け入れざるを得ない場合もある。難しいよね。
我が国よりも韓国の方が深刻やろうけど、韓国は進んで朝貢する属国に成り下がったから自業自得としか言いようがない。
> 菜実さん
日本政府にこうしたシナリオのシミュレーションが出来ているのか、凄く不安…
その意味では中共政府は一気に崩壊するのではなく、徐々に民主化され分裂、独立という過程を経て人口の流出が
> 菜実さん
回避される形で消滅してくれるのが最善のシナリオやね。
しかし、そううまく行くとは限らない。我々は事態を見守らんといかんね。
そして今回こそ表に続きが!
> あまいさん
おお、それも面白そうな題材っすね~
でもそれやったら終わる為の旅というか、明確に終点がある旅になるのでは…
↑ 失楽園のイメージ
> 紅牛さん
体格はあんなにごつくないけど、あの冷酷冷淡、凶暴凶悪そうな人相の悪さはそのままです
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