- 名前
- ベソ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- 我ハ墓守也。
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欺瞞の開花
2025年01月01日 17:25
昨年の8/6にわしが書いた日本の原水爆禁止運動の無意味さに関するログの続編です。
理由は、そう、日本被団協が昨年、ノーベル平和賞を受賞したからです。
昨年8月のわしの言説を読み、日本の原水爆禁止運動って自己満足の国内向けポーズに過ぎないのね…と漠然と感じてくださった方は、この受賞で「あれ? ベソさんは無意味って言ってたやん」と疑問を感じられたことでしょう。
どう回答したものか、ゆるゆると考えていましたが、ぼちぼちまとまったので以下に列挙します。
1.ノーベル平和賞受賞の意味
この賞を受賞したことで日本の原水爆禁止運動が世界に認められ、これで核兵器廃絶に一気に向かうか、というと、そんなことは起こりません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E5%B9%B3%E5%92%8C%E8%B3%9E
ノーベル平和賞は政治色が極めて強い賞で、かつても誰もが疑問を抱くような受賞者や候補者が議論を呼びました。例えばヒットラーやムッソリーニ、スターリン、ペロンといった歴史に名を遺した堂々たる独裁者が候補になっていたり、受賞者では就任後わずか13日で推薦され、受賞に至ったオバマ大統領の例が挙げられます。
考えてみてください。これは国際的な合意を経て発表されるものではなく、北欧の一国(受賞者の決定はノルウェー議会が行う)が出しているいわば個人的な賞に過ぎません。そこに権威が伴うのは事実ですが、この賞は授賞者側の意向を色濃く反映したものにならざるを得ず、国際的な同意、賛同を必ずしも得られる保証はありません。この賞を受賞したからといって世の中が即座に変わる、ということはないのです。
2.受賞のタイミング
日本被団協が結成されたのは1954年です。つまり、結成以来70年間、同じ主張を繰り返した来た団体に、昨年突然この賞が贈られた訳です。
70年間、ぶれずに同じ主張を繰り返して来られたことは尊く、頭が下がりますが、ではこれが何かの眼に見える結果につながったか? とはわしが昨年8月のログに書いた疑問です。
お前のように文句だけ垂れる奴に発言の資格はない、何か主張したければまず行動しろ、という意見は甘んじて受け入れます。その通りであり、この件についてわしは単に文句を垂れている糞野郎に過ぎません。
それを承知の上で言わせていただきますが、このタイミングでの授賞の意図は何か。ノルウェー議会は何故、このタイミングで70年間同じ主張を繰り返して来た団体に突然賞を贈ったのか。
一番分かり易い解釈は、ロシアのウクライナ侵略戦争で苦戦しているプーチンが核兵器の使用に度々言及し、欧州が核戦争の惨禍に見舞われる可能性がかつてない程高まっているから、という理由でしょう。
3.受益者
しかし、ノルウェー議会がこの授賞でロシアの核兵器使用の可能性をいくらかでも減らせると思っているのか? と考えると、答えはNoです。あの緊張下に置かれている国の議会がそんな脈絡のない話を信じる理由はありません。
では、どうして?
ここからは邪推になりますが、この受賞が一番大きな影響を与える国は何処だと思いますか?
そう、日本です。
朝日新聞、共同通信などの反日共産主義団体は早速鬼の首を取ったようにこの受賞を喧伝しました。それで日本国民に核兵器は悪いものなんですよ、核兵器を持つことは悪なんですよ、だから核武装しようなんて夢にも思ってはいけませんよ、という刷り込みを改めて行ったのです。
何故、これがノルウェー議会が望んだシナリオだったのか?
思い出してください、この受賞発表の直前、何がありましたか?
そう、一月前、米国ではトランプ元大統領の再選が決まっています。
トランプ元大統領の主張は、一貫してNATOへの関与を下げる。欧州の防衛は欧州各国に担ってもらう、という考え方です。
これが、ロシア南下の恐怖に直面している欧州各国に与える戦慄を、貴女は想像できますか?
欧州各国は米国を嫌い、蔑み、疎ましがっていますが、用心棒としては頼りにしているのです。
その米国が本気でNATO脱退を決めたら?
その結果は考えるだけでも恐ろしいものになります。
トランプ再選後の日本政府と米国が描いていたシナリオは、米軍撤退に向け日本の核武装を認め、対中の砦として有効に機能させる、というものだったでしょう。
現実的選択肢として、米軍が撤退した後の日本を確実に守る手段はそれ以外ありません。
仮に、日本核武装が不可能になれば、中共ある限り米軍はいつまでも駐留せざるを得ません。日本の原水爆禁止運動に油を注ぐことで、ノルウェー議会はそれを望んだ、と解釈できます。
同様に、米軍のNATO諸国からの撤退を考える際、どのようにロシアの欧州各国侵略を防ぐか、という課題を考える際、一つの現実的な選択肢は既に核武装している英仏以外のNATO加盟国に核武装を認める、という方向です。
つまり、NATO加盟国のどの国に侵攻しても、即座に核兵器で反撃される可能性があれば、ロシアが侵略に踏み切る確率はぐっと減ることは確実だからです。
そして、米軍が日本に駐留し続けるならば、トランプ大統領にとりその他地域から撤退させる圧力は高まるでしょう。
しかし。
欧州NATO諸国が仮に核武装か米軍の継続駐留かを選べ、と言われたら、どちらを選ぶでしょうか?
当然、米軍の継続駐留です。米軍が駐留している国をロシアはおいそれと侵略しません。米国との直接の戦争はロシアが何に変えても避けたいものだからです。
ここで考えなければいけないのは、米軍のNATO撤退の代償に、米国は英仏以外の加盟国に本当に核武装を容認するか、という問題です。
NATOがNATOとして機能し、西側諸国 vs. 中露という現在の対立の構図が変わらないうちはいいとしても、それが崩れ、新たな脅威に対抗せざるを得なくなった時、現在のNATO諸国が核武装していれば、米軍が新たに敵となった核武装国と対峙しなければならない可能性が高まります。施政者として、そうした事態は避けたいのが当然です。つまり、米軍は撤退させたいけど、本音ではNATO加盟国の核武装は認めたくない、というところでしょう。
まとめます。以下の道筋で、今回のノーベル平和賞を日本被団協に贈ることで、ノルウェー議会は米軍のNATO撤退に釘を刺した、とわしは考えます。
1.日本被団協のノーベル平和賞受賞
2.朝日新聞、共同通信などの反日共産主義団体がそれを喧伝、日本人の核武装アレルギーを再燃させる
3.トランプ大統領再任後の米国が米軍を日本から撤退させ、代わりに日本を核武装させ中共に対する砦として機能させる作戦を放棄させ、米軍の継続駐留につなげる
4.再任したトランプ大統領が米軍のNATO撤退を議題にした時、NATO側は独自の核武装を主張
5.トランプ大統領、困って米軍のNATO継続駐留を決定
という流れでしょう。
では何故、米国は日本の核武装は容認しても、欧州各国には認めないのか? という当然の疑問にお答えします。
日本は、米国にそれだけ、良く言えば信頼されている。悪く言えば、舐められている、ということです。
何があっても、今後二度と米国に刃向うことはなかろう、と思われている。
わしはそう解釈します。
皆様、腹が立つのは分かります。しかし、考えてください。我々が考えないといけないのは第一に国の存続です。
そのために、核武装しようが嫌な国と同盟を組もうが、倫理的に問題がない選択肢は全て肯定されるべき、とわしは考えます。
世界最古の我が国、日本。
美しいまま次の世代に引き継ぎたい、とわしは思っています。
反論、意見等あれば是非聞かせてください。
おまけ:
被団協にはそのような歴史はないようですが、日本原水禁等の団体は分裂、反目といった傍目から見るとみっともない醜態を晒して来ました。以下の論考に分かり易くまとめてあるので興味がある方はご一読を。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsci/55/4/55_56/_pdf/-char/en
このウラログへのコメント
世の中何度も人類が死滅するほど爆弾だらけですよね
> りょうこさん
その通り。そんな世界で如何に生き残るか?
戦争しませんと念仏を唱えれいれば安全安心、という虚構は始めから呪文でしかない。
さて、どうやって生き残る…
とはいえ、受賞したことはうれしい。
意味が無いとも言えない。
> naocoさん
この受賞がもっとも意味を持つのは、関係者を含めて日本国内やろうね。
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