原点 １

元々結婚向きでは無かったんだろう。

20～22歳まで13歳上の男性を養ってた。

出会った時は有名な企業に勤める男性だった。
社宅のマンション暮らし。
羽振りよく、優しく、性的にも貪欲。
プレイタイプはS。
家にあるもの、目につくものなら何でも挿れようとした。

毎日の様に会った。

経験が少なかった私にとって彼には運命を感じた。

ところが彼の転勤が決まる。
断ることの出来ない転勤。
もう彼に会えない。
私は号泣した。


でも仕方がないことだと思った。


なのに、彼は会社を辞めて来た。
社宅だったので住居も無くなり、彼は私の家で暮らすことになった。


私はスナックに勤め、彼を養った。

彼は定職には就かず賭事に興じ、酒を飲み、外でトラブルを起こす。
『お前の為に仕事を辞めた』といつも言い、暇つぶしの様に私を抱く。

その内、嫉妬がつのり私の勤め先のスナックに電話をかけて私の仕事も辞めさせた。

セットの様にＤＶもついてきた。


毎日、酒を飲んでは私を殴り、醒めては謝り私を抱く。

一方、生活は困窮する。

そんな中、勤めていたスナックから戻って欲しいと連絡があり、私は復帰。

彼もやっと酒屋で働きだした。


生活は少し楽になり、気持ちに余裕が出て、彼も職場の付き合いで家を空ける様になり、そんな中、私はスナックの客と仲良くなった。


その男性は初めてのデートでピンクトルマリンの指輪をくれた。


何度目かのデートの後、男性のマンションに行って、初めて抱かれた。
そしてそのまま家には帰らなかった。