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もう、止めよう。

2013年05月12日 00:32

もう、止めよう。



先日、こう感じる出来事があったのでその話。





数週間前、会社の集まりで行った… 









280円居酒屋




わしは初体験でした。








こう書いて、外で飲む機会自体が減っている上に、居酒屋に行きたいと思うことが最近ないことに気づく。その上でのお話です。



まあ、デフレを感じさせる業態は数あれど、その象徴的な一つやと思いますわね。メニューにある料理がすべて280円。

噂を聞いて、或いは街中で看板を見て、どんな店なんやろ? と興味はありましたが、先日まで機会がなかった訳です。


で、その時の体験。



料理はね、思ったよりまともでしたよ。

まずくて食えない、というものは出て来ませんでした。


何度も「おいおい」という体験をして、安い店では頼まないと決めている焼き物も、他の人が頼んだものをいただきましたが、これもそこそこ行けたのにはビックリ


ウェイトレス女の子達の接客態度も悪くありません。皆、笑顔を振りまき、額に汗を浮かべながら忙しそうに注文を聞き、料理を運んでいます。



正直、値段以上のサービスをしている、と感じました。







でもね…




何というか。





後味が悪いこと、この上ないんですよ。



色々考えてしまう。




あの値段でああした料理を出すために、経営側がどうやってコストを下げているのか。


食材は当然、ほぼ全品中国からの輸入品でしょう。


笑顔で勤労しているウェイトレス達は最低賃金しかもらっていないに違いない。


こうした業態の店の店長の過労死が、最近問題になりました。アルバイト女の子達だけでなく、社員の給料まで出し渋った上であの価格が成立している訳です。




貴女はそれに賛同できますか?




こうした店の常連になることは、即ちそうした業態認知、加担、恒常化の一因となることではないのか。





そうした思念がぐるぐる渦巻いて、わしは落ち着きません。


食べた料理の消化が悪くなる。


酔い覚めが苦い。








つまり、あの値段であれだけの内容を提供する為に、犠牲にされたものの数々を思い浮かべ、それに対して萎縮してしまう訳です。


わしは経済のことを一部しか分かっていませんから、わしの想像から欠けている部分も大きいに違いない。そうした部分への漠然とした不安が加わる。




つまり、恐ろしい。


何か、大きく口を開けた暗闇の中に首を突っ込んだ気持ちになってしまう。





国内でデフレが進めばこうした方向へ事態が展開するのは理の当然なんでしょう。


すべてがシュリンクモードに入ってしまえば当然の帰結です。




そしてメディア若者結婚しなくなったと叫び、国内少子化への危機感を煽る。


そして若者結婚しなくなった原因が、非正規雇用にある、と責め立てる。



だからと言ってメディアは、こうした極端な値下げの業態を批判するでしょうか?


価格破壊」などと銘打ってその流れを煽り、それを加速させて来たのは他ならぬ彼らではありませんか?






そうした記事を書いている記者が、その足でこうした280円居酒屋に出向き、一杯やっている姿が垣間見えます。






何処かがおかしい。


何かが違う。




そう感じない人がいるでしょうか?








安くて良いものを求めるのは当たり前の話です。


しかし、自らが求めるサービスに対し、まっとうな対価を支払うのもまた、経済の原則の筈。




行き過ぎた値下げ圧力は経済に歪を生じ、そのしわ寄せは必ず何処かへ向かい、犠牲になる人が生じます。




本来はそうした層の保護を求め、政策を立案、提案しなければならない筈の左派政党護憲基地闘争にばかりご執心なのは彼らの関心が労働者保護ではなく、自らのイデオロギー議席維持にしかないことの証左でしょう。


その点、アベノミクスは経済理論から見てまっとうであり、国全体の景気を浮揚させる可能性があるもの、と感じます。


抜本的な改革ではなくとも、デフレからの脱出を果たし得る経済政策であり、支持に値する、とわしは考えます。




わしは280円居酒屋にはもう行かない、と決めました。




飲むなら美味しい酒を飲みたい、と思います。



然るべき対価を払い、関わるすべての人がまっとうな収入を得ている、と感じられる店で。





…こんなことを言い出すと、高く付きそうやなあ。



外で飲む機会がまた減りそう。







でもそれでええんです。



2,000円で5回飲むより、5,000円で2回飲む方が身体にも優しいし、皆が幸せになれる。



そういう話です。






皆様ええ土曜の夜を。

このウラログへのコメント

  • ☆あね☆ 2013年05月12日 00:37

    安いのがいい、でも賃金は高いのがいいなんて矛盾ですからね。私も非正規雇用員。結婚なんて考えれません

  • ベソ 2013年05月12日 00:41

    > ☆あねもね☆さん
    国全体が右肩上がりの時代にはなかった不安…でも成熟した経済では当然で、政治はその環境で舵取りせんとあかん。民主党のばら撒きにコロッと騙された有権者に、今後はもっと考えることを期待

  • ベソ 2013年05月12日 11:16

    > はなねさん
    家計に余裕がないなら食材の安全はより大切やね。疑問のある食材は長期的に健康問題につながる。わしは子供と外食する時はリンガーハットに良く行くよ。全食材の出自が包み隠さず掲示してあるからね

  • ベソ 2013年05月13日 06:13

    > 未花さん
    産直で輸入物はないよねえ。わしも100円寿司ファンやけど、あれも大半のネタは外国産やもんね。ま、海産物は元々、国境の概念が薄いというか、マグロ等は最初から遠洋やからちょっと話が違うけどさ

  • *華乃* 2013年05月15日 23:39

    なるほどね~と思うけど
    やっぱりお財布と相談しちゃう
    貧乏性の私。

  • ベソ 2013年05月15日 23:43

    > *華乃*さん
    それでええと思います。財布以上のことは誰にも出来ない。出来る範囲で…という意味です。わしの上の計算、見事に一致してるでしょ?

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