赤い糸

誰でも知っているわな、

そして誰でも赤い糸に夢見る。

まづ、赤という色が夢を与えるな。

赤の他人と言うだろ、
真っ赤なウソとも、

ま、それだけ強力という意味なんだろうな。

つまり、強力に繋がっているという意味なんだろ。

人ってのは、だいたい、ほとんどと言ってイイ、
自分の都合のいいことしか考えない生き物だ、
都合の悪いことは無視する。

赤い糸で結ばれていると思うと、幸せを感じるらしい。

オイ、オイ、
結ばれることはあろう、
うんで、シアワセかどうかは　まったく別だ。

中国の伝説では、黄泉の国の老人がしきりに、
赤い糸で男女を結びつけているが、

コイツは、一言も結びつけた男と女は、
シアワセになる、とは言っていない。

おまえが勝手に、そう思い込んでいるだけだ。

真っ赤に結びつけられたのはいいが、
死ぬまで憎しみ合っていたらどうなんだ。

それが証拠に、
これが普通の夫婦だろ。
半分以上は憎しみ合っている、
後半分は無関心。

み～んな、赤い糸で結ばれているから、
切れない。

不倫は赤い糸でないから、簡単に切れる。
切れるからシアワセで終わる。

不倫が赤い糸なら、
今の亭主と子供はどうなんだ？

赤い靴履いた異人さんになってしまうだろ。
異人さん？
おまえを殺す、ま、赤夜叉だわな。

人ってな、切れないことが不幸なんだぜ。

切れるってことは、やり直しがきくってことだ、
リセットがきくってことだ。

赤い糸って、やり直しがきかない不幸なことだ。

人って間違いを犯す生き物だ。
ロボットじゃない、
コンピュータじゃない、

赤い糸はおまえをロボットにする。


昨日も、今日も、そして、明日も
み～んな、
赤い糸を求める、

うんで、
み～んな、
鋼鉄で頑丈な赤い糸で手枷、足枷で
フシアワセがほどけない。

世の中の男と女が、フシアワセに赤い糸で簀巻きにされる。


誰も、

赤い糸の別名が、

黒い糸であることを知らない。

ギャハハハ