- 名前
- みえだ
- 性別
- ♀
- 年齢
- 53歳
- 住所
- 神奈川
- 自己紹介
- 愛猫によく脚などを、舐められています。年齢の割には若いです。ミニスカートかショートパ...
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差し入れ
2011年05月04日 23:41
いつものように医局に寄ると看護師が近寄って、
『形成のさえぐさ先生から、これ、みえだ先生に渡して下さいと』
差し出された紙袋を開けると、お茶が入っていた。先日から考えると、日本茶とブレンドしたハーブティーのようだ。私は思わず笑ってしまったが、何だか嬉しかった。
回診の前に喫茶室に寄ると、やはりさえぐさ君はいた。
『お茶、ありがとね』
『後で飲みに行きますから』
爽やか過ぎる笑顔での返事だった。今日は何があるのか楽しみに、夜を迎えた。静まり返った病棟に足音が響いた。窓ガラス越しにはいつものように、夜景が見えるが一段と眩しく見える。
深夜0時、仮眠室へ戻ったがさえぐさ君はいない。いないのに気配を感じる。自分のパソコンのキーボードの音だけが聞こえる。私はソファーに座り込み、目眩に襲われたのかそのまま眠ってしまった。
どれくらいたったのか、傍らにはさえぐさ君がいた。
『寝るならベッドにしないと、風邪引きますよ』
『いつからいた?』
『今さっきっすよ。あ、お茶いれますよ』
慣れた手つきで先程のハーブティーを入れてくれた。何となく頭の中が白いまま、虚ろな目でカップを持った。
『らしくないっすよ』
『あ、ごめん』
『なんかあったんすか?さっきも変だったし』
さえぐさ君は笑ってみせた。珍しく私は外の夜景を見ていた。
『ねぇ、さえぐさ君ちはあっちだよね?』
『多分。先生ちはこっちっすよね?』
山下公園を指差す私の指を握り、無理矢理、伊勢佐木町周辺を指すように、さえぐさ君は置き換えた。
『あのね、さえぐさ君。あなたっていい人だよね』
『照れるなぁ~』
『その笑顔がいいよ』
無抵抗のうちに、私はさえぐさ君の胸の中にいた。ものすごく鼓動が早くなってるのも分かった。
『何かいつもの先生とは違うっす。』
『あなたのせいだからね』
『俺!?惚れた?やったね』
『あともう少しかな』
『…もう少しか』
ギュッと抱きしめると、ソファーに座った。テーブルに置いているチェスを眺めながら、ぽつんと言った。
『チェックメイト』
夜が静かに深くなった。
このウラログへのコメント
はじめまして。
あの辺の病院ですね!
私もみえだ先生に差し入れしちゃおうかな(笑)
恋する乙女?
この先は、言葉はいらないね。
料理ができて、医者で、性格がよくて、さわやかさん
好男子だぁ
お初です。画像の右手が痛々しい、どうしたの?
> koujiさん
初コメありがとうございます!差し入れは大歓迎ですよ
> takaさん
頑張り過ぎて「あのバカ」みたいには、くれぐれも同じにならないで下さいね
> やっさんさん
少し恋する乙女の気分です。毎日ドキドキしてます
ただ何と無くですが、それ以上進展は無さそうな感じがしています。理由は、同僚だから、無理!御免なさい!
> HALさん
そうかも。いつの間にか心の隙間に入り込まれたかんじですね
> パワーさん
さすが看護師の人気ランキング1番だわ。可愛くてどうしようもないです
> パチヒデさん
初コメありがとうございます。右手は去年、化学熱傷で皮膚移植しました。ケロイドがひどくて
> ジャッキー55さん
かゆいところに手が届く感じです。同じ職場だから慎重になります
どきどきする展開だね
彼はこまめに会いに行けるから勝ち目ないなぁ
この先のムフフ♪な展開隠してない?
> みちぼ-さん
微妙ですね。後々を考えると、進展はなさそうです
> kanesaさん
この先、どうなるんでしょうね!?可愛くって仕方ないです
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