縄、というモノ

縄で見えるもの

縄酔い
植物繊維を束ねた麻縄が作り出す表情、、
そのような言葉を知らない者が見せる表情、、
穏やかな至福の表情、、
静の中に包まれる大きく熱い情感、、

おそらくは主従関係にあっても
縄を使用しなければ決して視ることの無い顔、、
他のモノでの時間ではありえないだろう、、

Sは哀しいのだろうか、、
その情感を想像するしかないのだから、、
どんな想像力を持ってしても我が身の感覚には成り得ないのだから、、
だが、
その表情に移り変わる瞬間を見ることが出来るのは
側にいる者のみ、
Mは悲しいのかもしれない、、
自らの表情を「その瞬間」に見ることが出来ないのだから、、
そう、
映像や画像では完全なる表現は出来ないのだから、、

そして
その無駄な力が抜けた身体に
鞭を手加減せずに振るい
大きな悲鳴を上げる表情に変えるのは
嫉妬では無く
Sの沸き出でる情感を伝えるために、、

縄酔い
その表情を愛おしむが故に
日常の時の中
縄は手入れされ続けていくのだろう、、