- 名前
- 絵梨菜
- 性別
- ♀
- 年齢
- 55歳
- 住所
- 京都
- 自己紹介
- 特になし
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醒めない夢。
2009年02月24日 18:48
明け方に見る夢は、きまって哀しい夢。。。
久しぶりに弟の夢を見た。
病院のベッドに、管をいっぱい付けられて、包帯でミイラ男になった弟が横たわっている。
(あんた、なんでこんなところにいるんだよ。。。)
傍に、弟の手を握り涙を流している母がいる。
兄は、怒ったようにしかめ面。
主人を送り出して、家事をしていると電話が鳴った。
午前10時過ぎ。
「エリ。。」電話の向こうで兄の声。
「ゆきが。○○マンションから飛び降りた。」
「え????」
「今、××病院にいるし。来れるか」
「どういうこと?」
(事態を把握できないのか、把握したくないのか。)
「病院の場所。解るか?」
「うん。。。」
それから。どうやって病院まで辿り着いたのか記憶がない。
車を運転していったようだ。
2日前。
珍しく私を自室に招き入れた。
相変わらず、部屋はきちんと整理されている。
沢山あったマンガ本は、どこへやったのか。
「マンガ。捨てたん?」
「うん。整理した。」
「沢山あったのに。」
「おかあちゃんが、児童館へ持っていくとか。。」
「ほほう。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「僕。バイトしようかな?」
「働ける?」
「解らん。けど、ブラブラしてたらあかんやろ。そろそろ。。」
「今更、焦らんでもええよ。」
「まっ。な。。。」(照れ笑い)
「高校、行きなおすの?」
「それも考え中。。。」
「それも焦らんでもええよ。」
「うん。こっちは、受験しなおさんとやな。」
「そっかぁ。」
うつ病治療の薬が効いているのか、本心からそう思っていたのか。
6年ぶりに、明るい顔を見せてくれた。小さい頃と同じ笑顔。
その日。
早起きした弟は、「散歩に行ってくる。」とだけ母に告げた。
午前5時。
「ご飯は?」
「帰って来たら。」
「いってらっしゃい。」
「うん。。。」
これが最期の会話になった。
病院のベッドにミイラ男が一体。
ものも言わなければ、体も動かさない。
空へ逃げてから、二週間もこの状態。。。
「脳死状態なので、これ以上は。。」
お医者さんが、呼吸器を外すタイミングを促す。
「もう。。楽にしてやってください。」
哀しい審判を下さなきゃならなかった兄。
飛び降りたマンションの管理人さんに侘びに行ってくれたのも兄。
発見してくださった方にお礼を言いに行ったのも兄。
警察の立会いに付き合ってくれたのも兄。
「そこにいたわけでもないのに、確認してくださいっていわれてもなぁ。」
「居てたら、逝かせなかったちゅうねん。」
しかめっ面で涙を隠した。
辛い役目は、いつも兄。。。。
葬儀屋さんと相談したのも、遺影を選らんだのも兄だった。
「お正月に、写真写したかなぁ。」
「ゆきちゃん。最近一緒に撮らないから。」
「これ。ちょっと古いけど。どや?」
「三年前か。痩せてるなぁ。ガリガリやったしな。」
「笑ってるの。これしかないわ。」
参列してくださった方々に父に代わって、挨拶をしたのも兄。
喪主は、父になってるのに。。。
笑顔の弟を背にして。
「突然逝ってしまって、家族は戸惑っています。」
「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
真面目な兄らしい言葉。
下げた頭が、なかなか上げられない。
メガネをはずして、泣いていた。
通夜の深夜。
主を失くした部屋で弟の椅子に腰掛け。
机を摩りながら
「ごめんな。」
ポツンと一言。
兄は、何に対して謝っていたのだろう。
「ゆきには、勝てまへん。」
11歳年下の弟をいつも見守っていた兄。
ゆきちゃん。
お兄ィに辛い思いさせたらあかんやん。
小さい頃。
「お兄ィが動けんようなったら、僕が面倒みたる!」って言ってたの。
あれ。ウソやったん?
お兄ィもすっかり壮年やで。。。
あんた、なんにも残さずに逝ってしまうから、
お兄ィもえり姉も、あんたの死を消化しきれていない。
まだあの日の明け方の夢の中にいる。
「えり。また、ゆきをいじめてる!!」
兄に怒られそうだ。
このウラログへのコメント
忘れない事も愛でしょう
> かるねらさん
ありがとう。
13年も経つのに、まだ彼の死を受け入れることが出来ずにいます。
勝手に逝ってしまうのは、罪ですよね。
> rousillonさん
いじめたくても、手の届かない所に逃げましたから^^;
時々、空に向かってブツクサ言ってます。(笑)
> hayatoさん
兄は、素敵な(?!)義姉に大切にしてもらっています。
タブン。。。(笑)
あねごーー
涙もろいからそういう話やめて~
忘れさせないのは愛かな?
オレは絶対自殺しない。
> rcupさん
生きていれば、rcupさんと同い年かな?
手の届かないところで、見守ってくれるより、
どんな状態であっても傍にいてくれるほうがいいに決まってます。
自殺は罪です。
> こうもりさん
ありがとうね。
天国にいけるかどうかは解らんけど。
いつか会える日が来るまで一生懸命に生きたいと思います。
弟に笑われないように。
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