- 名前
- ベソ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- 我ハ墓守也。
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窓二枚を隔てた午前3時、空中40m、50m向こうの情事・・・完結編
2008年12月26日 22:33
私は目を凝らして50m先の情事を見ている。その情事の当事者たちは私が自分たちを見ながら自慰行為をしていることを知り、更なる快感に酔っている。やがて女が絶頂を迎えた。大きく背を仰け反らせ、手首の骨が浮かび上がる程にキャビネットの縁を握り締めて激しく達した。それにより男根を締め付けられたらしく、男は必死の形相で射精を堪えている。そのピークを過ぎ、安全圏に戻ったことを確信した男はキャビネットにぐったりと頬をつけて肩で息をしている女から男根を抜き取り、女を抱き寄せて自分の方を向かせた。女は息も絶え絶えである。その女の片足を持ち上げ、男は再び挿入した。女が悲鳴を上げたのが分かる。そして男は女の腕を自分の首に回させ、女の両膝を持ち上げた。いわゆる「駅弁スタイル」での行為である。女は前回の絶頂の痙攣が止まっていないらしく、男が新たな体位で再び動き出したことに抗議するかのように首を仰け反らせて応じている。男は私を見やった。
見ているか、俺の行為を。俺は再びこの女を絶頂へ導く。
そう宣言するかのように私を見据えた後、視線を女に移して男は駅弁スタイルを続けた。女は再び絶頂への階段を上り始めたらしく、男の動きに合わせてリズミカルに絶叫していることが分かる。私にはその情事の音も声も聞こえなかったが、しかし彼らの行為を凝視することで私はその場にいるように思えた。彼らの陰毛が擦れ合う音、男根が前後に動く度に女陰が立てるぴちゃぴちゃという淫猥な響き、男の恥骨が女の恥丘を打ち付ける度に立つぱんぱんぱんという打撃音。それらすべてが私の脳内に再現されていた。私は自らの男根をしごきながら、亀頭の脈動が激しくなるのを感じた。射精が近い。
情事にふける男女もそれは同じだったらしい。女は男の首の後ろに爪を立てているようだ。駅弁スタイルで男に空中に持ち上げられたまま、全身を硬直させ、最後の一声を上げているのが分かる。男も最後の力を振り絞り、女の両の太ももに指を食い込ませながら激しく突き上げた。やがて男は絶頂を迎え、女の中で射精した。コンドームに包まれた亀頭が膨張し、男の睾丸から白いどろどろした精液が勢い良く送り出され、女の膣の奥深くで脈を打って放出された。それを自らの体内の一番深いところで感じた女はその刺激で絶頂を迎えた。意識が遠のき、電気に痺れたように女は絶句し、全身の筋肉を硬直させた。女の括約筋は男根から精液を搾り出すように締め上げた。激しい行為の美しい終焉だった。
私はそんな二人を凝視しながら射精した。私の精液は窓ガラスに飛び、どろどろした痕跡を残しながら滴り落ちていった。
男は私が射精したのを見届け、満足そうに笑った。女から男根を抜き、コンドームを外して処理しながら、女に私を見るようにを促した。女は首だけ窓の方に向けて私を見た。そして窓ガラスを滴り落ちている私の精液を確かめ、私に向かい微笑んだ。それは奇妙な、説明の出来ない微笑であったが、美しい笑顔だった。私はティッシュで窓の精液を拭き取った。痙攣が治まったらしい女はやがて身支度を整え、トイレに行ったようだ。男もその後を追った。私に向かいもう一度手を上げてからオフィスの電灯を消した。私はティッシュで自らの男根を拭き、下着を着けてからベッドに座った。
これは果たして現実だったのだろうか? 或いは全て夢か幻であったか。どうにも判然としない。トイレに立ち、鏡で自分の顔を見た。寝ぼけた顔をしていた。眠気は感じない。テレビを付け、天気予報をぼんやりと見ながら、私はあのカップルの情事のさまを思い出していた。
しばらくそうしていたと思う。ドアをノックする控えめな音に私は驚いた。こんな時間に・・・ 訳も分からずドアに向かい、のぞき穴から訪問者を確かめる。
・・・女だ。
この女・・・ 知らない顔だが、どこかで見覚えがある・・・
まさか。
私はドアを開けた。女と目が合う。数秒間私を見つめた後、女はにっこり笑って言った。
「やっぱり貴方ね。入っていい?」
私は女を招き入れた。呆然と見つめる私に歩み寄ると、女は両手を私の首の後ろに回してキスをして来た。それはつい先程まで不倫相手の男の男根を頬張り、何度もの絶頂の快楽を訴え続けていた唇だ。見覚えのあるブラウス。ビジネススーツ。つい先ほどまで50m先で何度も絶頂に導かれていた、あの女だ。
「良くこの部屋が分かったね」
「うん。私、ちゃんと数えたの。17階の、東の角から8番目の部屋だって」
「驚いた」
「私だって。まさか人に見られているなんて思ってもみなかった」
女は着衣の上から私の男根をまさぐっている。私の目が説明を求めているのを察した女が言った。
「貴方がさっき、私たちを見ながらいってくれて、すごく嬉しかったの。だからお礼がしたくって」
女は床に膝を付き、私のズボンと下着を降ろした。女に刺激されて、先ほど射精したばかりの私の男根は、既に半ば硬直していた。女は私の男根を頬張り、一心にしゃぶった。私は女の頭を押さえ、髪に指を走らせながら快感に身を委ねた。
「ねえ、これ私にちょうだい。私、未だ体がうずいていて、このままじゃ帰れないの・・・」
(完)
このウラログへのコメント
完結って~…(TOT)
か…かなも感じてしまいました(--;)
責任とって下さいね(笑)
始めまして。引き込まれる文章構成に脱帽です。結末がないところが秀逸ですね。タイトルも興味深い付け方。
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