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「どうして? 彼女のどこがいいの? セックスできるから?」

2008年11月22日 00:33

昨日、都合がいい女に甘んじてはいけない旨のログを書いたが、  
                               
実はオレもあまりエラそうなことは言えない。          
                               
学生時代に付き合っていたコには随分と振り回されていた。

というか、勝手にオレの方が振り回されていただけなのだが・・・ 

2年の時に専門の授業で一緒になったのがきっかけで      

一目惚れしてしまったのだが、

と言っても、美人とか可愛いという訳ではなく

化粧っ気がなく、素朴そうで純真そうな雰囲気に惹かれたのだ。



一目惚れした相手に自ら告白して、

付き合えるようになったのは初めてだった。

「院に進んでヘッセを研究したい」と言っていたそのコは

交響楽団にも属していて、毎日練習が終わった後に

馬場で食事しながら話をしたりした。

オレは横浜の実家から通っていたので、

夜の9時過ぎ頃から終電ギリギリまで

文学の話をしたり将来の夢を語っていたりしたのだが、

ある日、オレの終電の時間に間に合わなくなりそうになり

慌て始めた時に、

彼女が「ウチに来てもいいよ?」と言った。

「えっ?」

オレは固まってしまった。

結果的にそれが終電を逃す原因になってしまった。

「もう、間に合わないね・・・」彼女がボソっと言う。



一人暮しの女のコの家に入るのはその時が初めてだった。

1年時の彼女語学クラスの男から

京都お嬢さんらしいという情報を得ていたのだが

彼女の外見や服装同様、慎ましやかな部屋であった。

しかし、後になってバス・トイレ付であることがわかる。

当時、学生の下宿にバス・トイレ付なんてほとんど無く、

そこはOL向けのアパートだったのだ。



7月になり、語学を中心に授業内試験が始まりだした頃

彼女ドイツ語の単位を落としそうだと言う。

訊いてみると練習が忙しくて勉強ができず、

1年の時の文法と講読の両方とも単位を落としていて

今年は再履を取っているのだが、また落としそうなのだと言う。

院に行ってヘッセやりたいんなら、

ドイツ語も頑張んなきゃ、ダメじゃんと思いつつも

高校の時にちょっとだけドイツ語をかじったことがあったので

試験前に一緒に勉強して本番に臨んだ。

「やっぱり、ダメ。また落としそう・・・」

切羽詰った感じではなく、他人事のように言う。

仕方が無いので、オレも一緒に試験を受け、

沢山回答できている答案に名前を書き入れ提出することにした。

試験が終わり、彼女の答案を見ると白紙のまんまであった。

「・・・・?」

結局、オレの答案を出し、何とか単位は取れたのだが、

この後、オレは彼女に代わり、

様々な科目でレポートや試験をこなしていくことになるのである。



彼女の側に自分の身体と引き換えに

レポートを書いてもらっているという意図が見えれば

幻滅して彼女のことを諦めることができたかもしれないのだが

彼女の場合、天然なのだ。無垢と言っていい。悪意も打算も無い。

単位を落としそうになっても緊迫感が無いのは

そのせいかもしれない。

代わりに試験を受けてくれとか、レポートを書いて欲しいと

頼まれた訳でもなかったのだ。



しかし、こんな彼女の現実を知ったというのに

彼女のことを嫌いになるどころか

1日逢えなかっただけでも気が狂いそうになるほど

彼女のことを好きになっていた。

「どうして? 彼女のどこがいいの?」

彼女セックスできるから?」

オレは自問自答し続けた。



このまま彼女と一緒にいると、いつか自分がダメになると思い、

彼女を諦める決心をした。

そして、オレは2年後、別の女のコを傷つけることになる。

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