- 名前
- 松田文学男爵
- 性別
- ♂
- 年齢
- 60歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 僕はアンドロイドなんだ。 アンドロイドだって夢は見る。 でも、それはキミたちのように...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
夏休み
2021年07月23日 22:28
俺がガチで体験した話ね。5年前、会社の異動でさ、埼玉から熱海に転勤になったんだよ。
熱海なんか行ったことないからさ、ワクワクしたね。なんだかんだで日本有数の温泉街だし
タダみたいな寮費で住めるのか~みたいな。(実際は大したことなかったんだが)
んで、熱海に到着してすぐ会社に行って挨拶した。しばらく仕事の話をしてたんだが、
会社のお偉いさんが「今日は寮で休んでいいよ」と言ってくれたんで、夕方まで町を散策してた。
で、寮に帰ってきたんだけど、気分が高揚しててさ。おまけに会社の人が
「熱海の夜景は綺麗だよ」なんて言うもんだから、探索がてらドライブに繰り出したんだよ。
夜の11時くらい。
熱海に行った事がある人なら分かると思うんだが、熱海ってとにかく坂が多いんだよ。
街中坂だらけ。だからという分けじゃないが、知らない街というのもあって、道に迷った。
ただそこまで遠出したつもりもないんで、そのうち帰れるだろうと夜景を見ながら
ドライブしてたんだよね。
坂を上がって下って、城?みたいな所を通って、ちょっとした峠を下って
帰り道が完全に分からなくなって心細くなり、おまけにCDチェンジャーも故障。
ちょっと泣きそうになりながら短いトンネル(30mくらいか)に差し掛かった。
余談だけど俺には一切霊感がない。霊的な体験もしたことがなかった。
でも、そのトンネルに入る瞬間、本能が「入るな!」って警鐘を鳴らしたんだよね。
上手く言えないんだけどさ、そのトンネルに入ったら終わり、みたいな、漠然とした
不安感みたいなのがあって。だけどそこを通らないとまたクネクネした坂道を引き返さないと
ならないから、本能に逆らってトンネルに入った。
トンネルに入ってちょうど真ん中まで来た時、車を止めた。止まったんじゃなくて、止めた。
トンネルの真ん中にさ、子供が5,6人いたんだよ。石を積んだり蹴ったりして遊んでんの。
この時の衝撃ときたら。夜中の12時過ぎにトンネルの真ん中に子供がいるんだよ。
あまりの恐怖に叫ぶことも出来なかったね。心臓をハンマーで殴られたみたいな。
体が震えて歯はカチカチなるし、とにかく動けなかった。
そしたら子供の一人がこっちを向いて笑ったんだよ。凄まじい笑顔。歯剥き出しで。
その瞬間にようやく叫んだ。そして叫びながら車を高速バック。ドアを壁に擦って
火花を散らしながら入り口まで戻ってUターン、ガチガチ震えながら何とか寮まで帰った。
次の日にね、会社に行って地元の受付のおばちゃんに昨日の恐怖体験を話したんだよ。
こういう道を通って、トンネルに入って子供が・・・って。
そしたら「あそこのトンネルね・・・○○さん、そのトンネル抜けたら錦ヶ浦よ」と。
錦ヶ浦って何ですかと聞いたら、「自殺の名所」だと言う。
もしあの時トンネルを抜けてたら、車ごと引きずり込まれてたかも知れない。
ドアはおしゃかになったけど、抜けなくてよかったよ。他の車が後ろにいなかったのも
ラッキーだった。(ていうか帰りの坂道でも1台もすれ違わなかった)
以上。俺的には最初で最後の恐怖体験だった。
このデジログへのコメント
コメントを書く