「趣味は読書」のこと。あと筒井君。

今は。
スマホという道具があり、ゲームや動画やメールなど、
いつでもどこでもネットで何でもできますけど。

昔は。
長時間の電車内などで、暇つぶしといえば読書でした。

例えば。
私が幼かった頃、遠方の親戚の法事などに行く時はですね。
行きがけに、母から漫画を一冊買ってもらうんです。で、その一冊だけで、
私も妹も、朝から晩まで大人しくしてました。何度も何度も読み返して。

もちろん。
妹とは交換もします。おかげで私は、「ときめきトゥナイト」について
語れる小学生男児になってしまいましたよ。無論、級友とは語れないので、
相手は妹だけです。

「ええい、蘭世の対応が解せぬ！　一体、筒井君の何が不満なのだ？
充分にかっこいいし、多才だし、ファンの女の子たちを振り切って
蘭世に尽くす一途さもあるし、客観的に見てどう考えても真壁君より……」

「はあぁ（溜息）。兄者よ、本気で言っておるのか？　愚かよのぅ」

「何だとっ？　一体、筒井君の何が真壁君に劣っているとぬかすか！」

「顔（きっぱり）……が、蘭世の好みなのであろうよ。真壁君の方がな。
兄者が言うは、兄者が言う通り、客観的意見に過ぎぬ。それは、
蘭世の主観的意見とは異なるということだ。まだまだ青いな、兄者よ」

「う、ぐぐ……っ」

閑話休題。
昔は、「暇つぶし＝読書」ってことから、特に趣味のない人が
「私の趣味？　読書です」と答えるケースが多かったわけですが。

私は違ーう！
きっちり、ほんとに、趣味でした。子供の頃から、
漫画でも小説でも図鑑でも、とにかく本が好きでした。

中学では三者面談の時、先生が私の母に、
「けーでぃー君は、休み時間に一人で本を読んでるんですよ」
なんて言ったりして。

いやまぁ。
先生としては、「友達と仲よく遊ぶべし」と言いたいんでしょうが。
私ぁ読書が好きなんです。ほっといて下さい。むう。

例の、私の妹も。
作品世界に没入するあまり、休み時間が終わったことに気づかず、
全力で読み続けてしまって。んで日直さんから、

「きりーつ！　れーい！　……ちょっと、けー妹さん？」

と言われて慌てて立ち上がった、なんてことがあったとか。
遺伝＆家庭環境ですなぁ。

ちなみに。
この時、妹が読んでた小説が「ゲド戦記」。
妹が熱中してた２０年後ぐらいでしたか、
いきなりジブリでアニメ化されて。びっくりしましたよ。


ま、とにかく。
今も、スマホを持ってないこともあり、私はいつも本を持ってます。
仕事だろうが遊びだろうが、電車に乗る時は、必ず鞄の中に文庫本。
そう、堂々と、「我が趣味は読書」であ～る！

……まあその。
スマホを持ってしまうと、ついついゲームやら掲示板書き込みやらに
熱中してしまって、読書しなくなってしまう、それでは
小説執筆の鍛錬ができぬ！　という思いもあるんですけどね。はは。


☆☆そーいえば☆☆

「インターネット」というシロモノに、生まれて初めて触れた時。
「検索」という行為をすれば、江戸の町人の服装だろうが、
中世ヨーロッパの食生活だろうが、女性の各種衣類の名称だろうが、
何でも調べられると知った時。

私は驚き、喜び、感動しました。

「インターネット、とは……まるで、図書館が自宅にあるようだ！」

と。双方向性の、通信手段だと知ったのは、だいぶ後です。

実際、昔の私は小説を描くにあたって、
「知らないことは図書館に行って調べる」でしたから。
転勤で社宅に入る時は、国語辞典や和英辞典や各種図鑑を、
山のように持ち込みましたよ。

それが今や、ねえ。自宅どころか、電車の中に図書館ですよ。


☆☆もっと言うなら☆☆

私が、月刊雑誌で短編小説を連載してた時は、

フ　ァ　ッ　ク　ス　で

東京の編集部と、原稿のやりとりしてました。
印刷が掠れて読みにくかったです。

もちろん、文庫本用の長編原稿は、郵便以外に手段なし。
日数がかかる、郵便代がかかる、郵便局が閉まってたらアウト。

でも今は。
大晦日の真夜中にだって、ポンと一発送信。
新人賞への投稿も、郵送は受け付けてなくてＷｅｂ投稿のみ、
のところがどんどん増えてて。

とはいえ。
当時は、ファックスや郵便が「当然」でしたから、
「不便」だなんて思ってませんでしたけどね。

今の世の中で、スマホが「当然」であるのと同じく、です。
次回は、その辺りを詳しく。


☆☆ほんでもって☆☆

筒井君はですね。そういう関係にありながら、真壁君に対して
嫉妬してトゲトゲしくなったりはしない、という潔さ、男らしさが
あってですね。私としては、やはりどー考えても（←しつこい）