- 名前
- 松田文学男爵
- 性別
- ♂
- 年齢
- 60歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 僕はアンドロイドなんだ。 アンドロイドだって夢は見る。 でも、それはキミたちのように...
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【お題日記】一番長い片思いはどれぐらい?
2017年03月14日 19:58
40年くらいかな。
星野之宣の漫画に「月夢」という作品がある。
有人月探査船に初めての日本人であるドクターサカキが乗る、という話と
八百年生きているといわれる八百比丘尼への取材、という二つの話が並行して進んでいくのだけれど、
メインは八百比丘尼のほうで、頭のおかしい尼さんの話程度に考えていた取材者に対して、比丘尼は淡々と過去の思い出を語っていく。
鎌倉の追っ手から行者姿で落ちのびていった一行の話。
堺の港から南蛮に渡って行った夫の話。
養女さよが官軍に追われる若侍とかけ落ちした話。
空襲警報が鳴り響く中で、年老いたさよとすれ違った苦い思い出・・・・
あまりにもリアルな話にこの尼さんが本当に800年以上生きてきたのではないかと信じ始める取材者。
あなたはなぜ不老不死になったのか?
比丘尼は語り始める。
大昔に一人の美しい娘を拾って育てたこと。
その娘を迎えに来た者たちに不老不死の薬をもらって夫とともに飲んだこと。
夫はいなくなった美しい娘の面影を追って南蛮へ渡っていったこと。
では夫も不老不死なのですか?
そうです、夫は今はサカキと名乗っているようです。
サカキ!?
場面は月面。
月面に到着した月探査船からドクターサカキが突然走り出した。
「ついにここに来た!お前を追って何百年もかけてついにここまでたどり着いた!」
八百比丘尼は問いかける。
「男の人ははるか昔の美しい一人の女の思い出だけで生きていけるものなのでしょうか?」
この後衝撃の展開を迎えるのですが、それは画像から推察していただくとして。
この作品はマンガとしてもあの有名なお話の後日譚としても出色の出来栄えです。
何百年も前の美しい娘の思い出を追いかけ続ける男と時の流れの中でその無常さを見続けてきた女の
対比が素晴らしい。
妖女伝説 (2) (集英社文庫―コミック版)で読めます。
Amazonだと1円で買えますね。
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