放射能のこと恐がってもしょうがない 勉強したぞV

『希望の国』
園子温監督作品
震災の数年後の
巨大地震の被害
長島県（架空）で
原発が爆発する


フィクションだが、淡々と描かれてゆく場面の積み重なりは、現実を見せられている気分にさせられる。

男女の地獄を描く時もそうだが、園監督、過剰な演出は一切しない。あるがままを、あるがままに描く。

◇カメラの寄りが少ない
◇主義主張を台詞にしない
（登場人物の主観はアリ）
◇音楽で畳み掛けない

ココでは、地震のシーンも一瞬。津波の描写もない。
原発の爆発すらも、呆気ないほど簡潔な表現でサラリと流す。


必要最低限しかテクニックを使わないのは、これも立派なテクニックの一つだ。


愛し合うからこそ、殴る別れ。
愛し合うからこそ、殴られる別れ。

切なさが、胸に沁みる。


長島県（被災地）から来た子供が、避難先の小学校の同級生のイジメにあう。
他にも、長島県の車だからという理由で給油を断られるシーンも――


かつての広島・長崎人は、「被曝は感染する」と思われ、忌み嫌われたケースも。数十年後も同じことが繰り返された。


一方、微量の放射線を浴びるのは健康によゐって説も昔からある。放射線ホルミシス効果と呼ばれる。が、立証はされていない。

自然界の放射線は避けられない。体内被曝は別だが、放射線で損傷しても回復力が上回れば善し。


放射能のこと、少しは勉強したぞ。エヘン<(｀^´)>エヘン<(｀^´)>(笑)


放射能とは、放射線を出す能力のこと。放射線を出す原子が放射性物質と呼ばれる。原子をつくっているのは――

◯陽子（持っている電気はプラス）
◎中性子（電気を持ってはいない）

※この2つは手を繋いでいる状態。原子核という。

●電子（持っている電気はマイナス）

※上の2つよりも小さく、原子核の周りを飛んでいる。陽子と同じ数。

この3つには個性はなく、数が幾つあるかで原子の性質が決まる。


ラドン温泉のラドンは、原子番号86番。これは、陽子が86個あるって意味。陽子が8個なら酸素、6個なら炭素。

放射線を出すのはラドン222。
―――222って、一体ナニ？

セシウムも、有名になった134と137は原子炉生まれ。人工の放射性物質。だけど、セシウム133は自然界にもあり放射線は出さない。

この数の差は、中性子の数の違い。質量数というのだそうだ。


◇セシウム133陽子55個+中性子78個
（天然。放射能ナシ）

◆セシウム134陽子55個+中性子79個
（人工。放射能アリ）

◆セシウム137陽子55個+中性子82個
（人工。放射能アリ）


どれでも、陽子は55個なのでセシウム。同位体って意味がコレ。
そして、この場合は中性子78個が安定している。余分な1個の134と余分な4個の137が不安定な状態で放射線を出す。


放射線は3種類。

☆α（アルファ）線
★陽子2個+中性子2個の固まり。
これが凄い勢いで飛び出す。

防ぐには紙1枚あればOK♪
悪さをした後は周りから電子調達→ヘリウム（陽子が2個で原子番号2番）になる。
電気はプラス。

☆β（ベータ）線
★余っている中性子
（134の1個や、137の4個のこと）
が壊れて、陽子と電子に分かれる。
陽子は原子核に残り、電子だけが凄い勢いで飛び出す。

防ぐには5ミリ程の厚みのアルミ等♭

悪さをした後は普通の電子としてそのあたりで適当に暮らす。
電気はマイナス。

☆γ（ガンマ）線
★とても波長が短い光。
β線を出してもまだ不安定な時に余っているエネルギーがコレになる。

防ぐにはぶ厚い鉛等！

悪さをした後は消滅。
電気は持たない。


ラジウム（88）226がα線を出す。
↓
ヘリウムとラドン（86）222になる。

ラドン222がα線を出す。
↓
ポロニウム（84）218になる。
ポロニウムにもまだ放射能が！