- 名前
- ウルトラ7
- 性別
- ♂
- 年齢
- 63歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- ガツガツして欲しい貴女、他の方をお訪ねください。 まったり、ねっとりの専門店です。但...
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立ち上がる力
2016年03月06日 06:06
人の優しさってのは
何気ない所作の中に
キラキラ光りまくる輝き
それは頑なに閉じた
凍てつく心の扉すら
思わず拓く力がある
笑福亭鶴瓶サン、『BIG ISSUE』って雑誌の表紙を飾ったことがある。
(↑画像)。
映画『ディア・ドクター』の公開時のことだった。
私が路上に立ち初めて売った時の『BIG ISSUE』が、鶴瓶サンが表紙の写真の号だった。
『BIG ISSUE 日本版』
英国生まれの雑誌で、路上生活者だけが売ることができる路上販売のみの雑誌。
私がホームレス時代に辿り着いた最後の希望が、この雑誌の販売だった。
ぶっちゃけ、手段を選ばなければ生きてく方法はいくらでもある。だが、それは闇に飲まれる危険と背中合わせだったりもするのだ。
私が這い上がるためには、足掻くためにも、この雑誌の販売が私にとって必要なことだったように思う。
人が堕ちてゆくのには堕ちるだけの理由がある。私は心の奥の暗闇に飲まれかけていた。
矢つき刀は折れて尚、心の中の鎧は外すことなく、凍てつく闇を抱えたままだった。
その私の中の闇を照らしたのが、『BIG ISSUE日本版』読者の方々の笑顔だった。
ひとつ一つは小さいかも知れないその温もりだが、尽きることないいつも変わらぬその輝きは、私の凍てついた心を溶かすには充分すぎるものだった。
私はいつしか心に纏っていた鎧を足元にと置いていた。
買って下さる読者の方の笑顔に、心の底からの笑顔を返せる自分になれたことに驚く自分がいた。
そして、私は新たな道に踏み出し、販売員を卒業した。
常連の方々との定期的な邂逅は、何物にも替え難い私の心の財産となっている。
雑誌の仕入購入金額は表紙に明記されており、販売価格との差額が、販売するホームレスの収入となる。
ホームレスの自立支援の仕組みが、実に分かりやすい形で読者に伝わる。
読者にすれば、毎月数百円の支援。
ひとり一人の読者の小さな善意が販売員の生活を支え、やがて自立にも繋がってゆく。
だからって誌面の内容が福祉とか政治批判って訳じゃない。
インタビューと特集記事の二本がメインの内容。このスタイルは本家英国と同じ。
インタビュー記事は本家から拝借することも。海外ではボランティアはセレブのステータスでもあるようだ。
新作の宣伝を兼ねてるとは云え、ほぼ無償の取材にも関わらず、ジョニー・ディップは新作の度に登場する。
今回、悲願のオスカー賞に選ばれたレオナルド・ディカプリオも複数回登場してはいるが、残念ながら奥方の登場回数には及ばない(笑)
私にとっては忘れられない表紙の人である鶴瓶サンだが、夜の道端で偶然すれ違ったことがある。
とあるマンションから師匠が出てきたところに出くわした。芸能人ッポイ特有のオーラはなく、見るからに人の良さそうな笑顔で、待たせていた白いバンに乗り込むところだった。
その時、心の中で手を合わせた私だったが、今でもことあるごとに心の中を過るのは、私を支えて下さった読者の方々の笑顔であり、その度に心の中で最敬礼をしている私である。
このデジログへのコメント
> かなりんりん555さん
ありがとうございます.
とても小さな多くの善意の松明が一寸先も見えない暗闇にいた私を照らしてくれた.
そして私はあなぐらを這いだす力を頂戴しました.
見かけたコトはあるけど
知らなかったです。
何の雑誌なんやろーと思ってただけで
終わってました。
> cho-coさん
編集部は大阪.
内容は独自路線で様々な記事等が盛り込まれてるが如何せん薄い
毎号買って下さる方はやはり支援の気持ちが強く「頑張って下さい」の一言が有り難かった――
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