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考えさせられる話:父親のお弁当
2012年11月25日 19:27
小1の秋に母親が男作って家を出ていき、俺は親父の飯で育てられた。
当時は親父の下手くそな料理が嫌でたまらず、また母親が突然いなくなった寂しさもあいまって俺は飯のたびに癇癪おこして大泣きしたりわめいたり、酷い時には焦げた卵焼きを親父に向けて投げつけたりなんてこともあった。
翌年、小2の春にあった遠足の弁当もやっぱり親父の手作り。
俺は嫌でたまらず、一口も食べずに友達にちょっとずつわけて貰ったおかずと持っていったお菓子のみで腹を満たした。
弁当の中身は道に捨ててしまった。
家に帰って空の弁当箱を親父に渡すと、親父は俺が全部食べたんだと思い涙目になりながら俺の頭をぐりぐりと撫で、[全部食ったか、偉いな!有難うなあ!]と本当に嬉しそうな声と顔で言った。
俺は本当のことなんてもちろん言えなかった。
でもその後の家庭訪問の時に、担任の先生が俺が遠足で弁当を捨てていた事を親父に言ったわけ。
親父は相当なショックを受けてて、でも先生が帰った後も俺に対して怒鳴ったりはせずにただ項垂れていた。
流石にに罪悪感を覚えた俺は気まずさもあってその夜、早々に布団に潜りこんだ。
でも中々眠れず、やっぱり親父に謝ろうと思い親父のところに戻ろうとした。
流しの所の電気がついてたので皿でも洗ってんのかなと思って覗いたら、親父が読みすぎたせいかボロボロになった料理の本と遠足の時に持ってった弁当箱を見ながら泣いていた。
で、俺はその時ようやく自分がとんでもないことをしたんだってことを自覚した。
でも初めて見る泣いてる親父の姿にびびってしまい、謝ろうにも中々踏み出せない。
結局俺はまた布団に戻って、そんで心の中で親父に何回も謝りながら泣いた。
翌朝、弁当の事や今までの事を謝った俺の頭を親父はまたぐりぐりと撫でてくれて、俺はそれ以来親父の作った飯を残すことは無くなった。
親父は去年死んだ。
病院で息を引き取る間際、悲しいのと寂しいのとで頭が混乱しつつ涙と鼻水流しながら[色々有難うな、飯も有難うな、卵焼き有難うな、ほうれん草のアレとかすげえ美味かった]とか何とか言った俺に対し、親父はもう声も出せない状態だったものの微かに笑いつつ頷いてくれた。
弁当の事とか色々、思い出すたび切なくて申し訳なくて泣きたくなる。
自分のことばかりを考えている時は見えないもの。相手の立場や気持ちになろうとすればする程、感謝が溢れてきます♪
このデジログへのコメント
そう思います!!たぶんその方、人に対して思いやりの有る優しい人に成ってるでしょうね…
ワンワン大王さん:ですね。お父さんとのことがきっかけになった筈
敵を知り己を知云々。
いずれにしても相手を考慮する要有り。
松山市の河内人さん:ですね。相手の気持ちを考えられる人になりたいな
人への思いって、相手に伝わっていなかったり、解りにくいから
この親父のお弁当は、本当に深いですね。
S.ヒロさん:ですね私も考えさせられました
相手の立場や気持ち、わかる時とわからない時があります。ここ最近は、わからない事が多いです。
キャストさん:私もです自分に余裕ないと特に
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