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送り火。。。

2010年08月17日 23:43

送り火。。。

八月十六日は、京都の五山の送り火
所謂、大文字。。。

大文字焼きって言う人もいるけど、鯛焼き、どら焼きのイメージがして、私はあまり好きでない。

お盆に現世に帰って来ている人を再び、来世へ送り届ける日。
かがり火を炊いて、「向こうへ行っても私達を見守っていてね。」とお願いをして。。。

観光客にとっては、単なるイベントにすぎない大文字だけど(いや、最近の京都若者もかも)、
京都人にとって八月十六日は、ご先祖さまとの特別な日。。。

五山の送り火は、その名の通り。
五つの山で、松明を焚く。
大文字、左大文字、妙法、舟形、鳥居

我が家の近くは、『鳥居形松明』
送り火を焚くと、薪の燃える匂いが我が家まで漂ってくる。

松ヤニが入った松を使うため、火の色が他山とは少し違いオレンジに近い色になっている。
火床は、他山と違い、木を組むのではなく、松明をそのまま突き立てる。
親火床から松明を持って各火床に走るので「火が走る」とも称される。
だってさ。
赤い色は、鳥居イメージしたものかと思ってた、わたし。。。
灯台もと暗しで、近くに十数年も暮らしてしながら詳細を知らなかった。。。
この山の保存会が、他山と違い檀家世襲でなく、
有志によるものだというところに、なんとなく危うさを感じるが。。。

母親の祖母(私にとってひいおばあちゃんにあたる人)が、
アルツハイマーで、痴呆が進んだ時。。。
ある時、毎日世話をしている祖母にむかって、
お姉さん、どこのどなたか知らないけれど、来てくれてありがとうね。」と言った。
祖母は、「なに言ってんのよ。あなたの娘のふみ子よ。」と
切り返したのだけど。
「いやぁ。ふみ子は、もう年をとって死んだよぉ。」と言った。
祖母の名前どころか、存在すら忘れたようです。
笑い話として、曾祖母が亡くなってから祖母が語っていたけれど。。。
その時は、ショックだったに違いない。
「人はねぇ。この世に未練とか業とかを全て捨ててあの世へ往くのだよ。」
祖母は、そう言って笑っていた。

主人の祖母は、今年103歳になる。
去年から。同居をはじめた。
まだまだ、元気でボケもせずに、
自分の身の廻りの事は、キチンとしてくれる。
やがて。。。
この人もそれなりに呆け、我儘を言って去っていくのであろう。
この世の業を全て吐き出して、向こう側へ往くのなら、それもいいと思う。

先祖様に送り火を焚く、その人の
小さな丸い背中を見ながら、ふと思った。
この人の最期をみとるのは、私でありたいけれど。。。
できるなら。。。
それが遠い未来であって欲しい。。。

このデジログへのコメント

  • 絵梨菜 2010年08月18日 22:56

    > rousillonさん
    誰に恋してるのかなぁ♪
    主人の事は、彼氏のように扱っているけど^^
    素敵なおじい様と恋に落ちているなら楽しいね。

  • 足長おじさん 2010年08月19日 10:01

    お年寄は生き字引、昔の人から継いだ知恵をバトンして下さる大切な人々ですね♪

  • 絵梨菜 2010年08月19日 20:28

    > 足長おじさんさん
    祖母というより良き相談相手としての存在のほうが大きいです。
    柔らかな京言葉の過去になにが隠されているのかは、聞かぬが華。。。^^

  • shinn 2010年08月20日 05:12

    16日昼間金閣寺へ観光に行ったとき山に大の字が、見えたけどあの山かな?

  • 絵梨菜 2010年08月20日 18:15

    > しんちゃんさん
    その山です。如意ケ岳らしいです。
    昼間みると、山肌が大の字に削られいて妙ですが^^;

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