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Tales of Planet Tecle 9

2010年03月29日 21:51

Tales of Planet Tecle 9

第一章 アファレスとウヴァルス

第三話 シフォル 3


「どうしたシフォル!

あの二人に何かあったのか?」

息を切らして家の玄関先に立っているシフォルに向かってコトルーは叫んだ

「いや・・・はぁ、はぁ・・・そ・・・はぁ、はぁ・・・」

「ハルム!
水を持ってきてくれ!
シフォルに水を!!」

とコトルーが叫ぶと、ハルムは急いで水をコップに入れ、もう片方の手には大きな水差しまで持ってやってきた

「はい、どうぞ

そんなに急いでどうしたんです?いったい・・・」

と、ハルムが訊くと、差し出された水をコップからではなく水差しから一気に飲んでシフォルは

「がはっ!がはっ!!・・・いや、申し訳な・・・げほっ!・・・」

と、今度は水を気管に入れてむせ返っている

そんなシフォルを見て苦笑しながらコトルーは

「いったい何をそんなにあわてておるのだ?」

とシフォルにたずねると、今度はやっと落ち着いて

「いや、先日来街でうわさになっておったことが気になってな

まあ、ウソだろうと思うておったのだが、そこへリリルの送った鳥文が飛んできた」

「シフォルのところに?」

「ああ、そうだ

お前さんには話す機会もなかったが、あの鳥文はとんでもない出来損ないでな
というよりはおそらくはリリルがわざとそうしたとも思えるんだが、お前さんのところに行くまでの間にそこらじゅうのアファレスのところに立ち寄ってな
相手がお前さんじゃなくても全部話して聞かせたそうだ

だから、あの鳥文の内容はこの界隈のアファレスなら誰でも知っているというわけさ」

「そんな・・・じゃあ、他のウヴァルスたちには?」

「それは安心せい
そんな口の軽いアファレスはおらんよ

おってもどこぞの洞窟の中に閉じ込められておる」

そう言うとシフォルはやっと落ち着いて

「今わしの町で噂になっておるのだがな

ウヴィラ大陸では20歳前後の若いウヴァルスが、何の前触れもなく死ぬと言うことがあるという話だ
このアテネ大陸ではそんな話は聞いたこともなかったのでな
少し前に街の連中に調べに行かせてたのさ」

と一気に話しだした

ウヴィラ大陸アテネ大陸の半分程度の面積しかないけれども、とても豊かな土地で豊富な農作物に恵まれていて、住んでいるウヴァルスはアテネ大陸の倍以上もいる
そしてウヴィラ大陸にアファレスはいない
この星のアファレスはすべてこのアテネ大陸に住んでいるのだ

これはどんな理由からなのかは誰にもわからない

そして今、その多くの人口を抱えるウヴィラ大陸若者の突然死が起きていると言うのだ


「それでどうだったのですか?」

とコトルーが尋ねると

「本当のことだった・・・それにウヴィラ大陸に調査に行った街の若者のひとりも、ウヴィラの港に着いた翌日に亡くなってなぁ
原因は全くわからんかったそうだ」

と、シフォルは悲しそうに答えた

「それと、今日あなたがここにいらしたこととなにか関係が?」

とハルムが訊くと、シフォルは

「そう、それなんだがな
この間の鳥文の内容とお前さんたちの子どもらが霧の谷へ旅立ったことを考えると
どうしてもお前さんたちに詳しい話を聞かねば気が済まんでな

それでここまで急いでやってきたと言うわけさ

さあ、話してもらおうか・・・お前さんがた、10年前にリリルに何を聞いた」

と、シフォルはコトルーに向かって迫った

コトルーはハルムと少し見つめ合ったあとに、諦めたように話しだした

「あの時のリリルから聞かされた話は嘘であって欲しいとこの10年間考えてきた」


つづく・・・

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・

https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA

このデジログへのコメント

  • しあん 2010年04月01日 11:23

    > 美空さん

    いつもありがとう!
    こうして2ヶ月間書き続けられたのは読んでくれる人がいるからです(^-^)

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