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Tales of Planet Tecle 6

2010年03月08日 21:09

Tales of Planet Tecle 6

第一章 アファレスとウヴァルス

第二話 旅立ちのとき


その翌日・・・

いつもより少し早く起きたイツキスとエノアだったが、
コトルーとハルムはもっと早く起きて二人の旅の準備を整えていた

「イツキス、エノア・・・お前たちにとっては初めての遠出になる

そして、われわれが足を踏み入れたことのない場所に行くのだから
どんなことに会うのかまったく予測もつかない

だから、私はハルムと共にこの10年お前たちのために準備をしてきた」

と、コトルーは二人に向かってそう言った

ハルムは

「あなたたちが無事に帰ってくることだけが私の望みなのですよ

そのためにこのキシカの布であなたたちの服を作っておきました」

「キシカの布?

そんなことまで!」

イツキスは驚いた

キシカの布とは、テクル星に生える植物キシカの葉からごくわずかに取れる繊維で作られた布で、
どんな金属よりも硬く、他のどんな繊維よりも軽くしなやかなのが特徴だが
硬いので切ることもままならず、筒状に織り上げていくしか方法がないので
この布で服を作ることは不可能だと言われていた

それをハルムは二人のために服を作ったと・・・

それは見事なものだった

ハルムはリリルから教えてもらった方法で織り上げたのだと言った

魔法のように軽くしなやかで、継ぎ目もなく伸び縮みし動きやすく、ヨロイのように丈夫だった


そして、ハルムは最後に「ハルムのお守り」を二人に渡した

これは見た目はブローチのようなもので、やはりキシカの布でできたマントを胸の部分で止めるためのピンとして作られたものだ

このお守りを身につけていれば、どんな困難も乗り越えられると言われていた


「このお守りは私たちを守護する女神さまの力をあなたたちに与えてくれる物です

私はこの女神様と同じ名前をもらい、人に頼まれてはこのお守りをいくつも作ってきました

でも、これは特別です

この10年間他にはひとつとして作ることなく、あなたたちだけのために私のすべてを尽くして作りました

だからこれを身に着けてさえいればきっとどんな困難も切り抜けられるはずです」

とハルムは二人に伝えた


そして朝食を終えると、4人は家から出てそのうちの二人は遠くへ旅立っていった


残された二人は、

大丈夫でしょうか?」

きっと大丈夫だ」

「でも・・・」

「泣くなハルム・・・エノアに感付かれるぞ」

「はい・・・」

「きっと戻ってくる・・・きっと・・・」

「でも、本当にあの子にできるのでしょうか?
あんなに心のやさしいあの子に・・・」

「やらねばならんのだ
リリルはそのために旅立ったのだし、イツキスとエノアも今そのために旅立った」

「そうね、信じるしかないのね・・・」

「ああ、信じて待つことしかできんのだ」

と、二人は旅立つ二人が視界から消えるまでずっと見送っていた



「おにいちゃん・・・」

「どうした?エノア」

「お母さんが泣いてる・・・」

「寂しいのさ」

「そうじゃない・・・もっと先に起きることで・・・」

「心配してもしょうがないよ
僕らがこうして旅に出るのは運命だったんだ」

「うん・・・でも・・・」

「先のことを心配しても始まらない
今僕たちはやらねばならないことのために先を急がなきゃいけないんだ
そして目的を達して無事に帰ってくること・・・それが今何よりも一番大事なことだよ」

「そうだね、どんなことがあっても二人ならきっと大丈夫だよね」

「もちろん!僕にはエノアっていう女神がついているからな
って、女の子じゃなかったな」

とイツキスが笑うと、

「私にはイツキスと言う勇者がついていますからね」

と、ようやくエノアに笑顔が戻った


つづく・・・

*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。. .。.:*・゚゚・

画像はハルムのお守りのつもり・・・僕自身ノーアイディアだったので、急に作らなきゃ!って思ってバタバタしたので、むっちゃおざなりなものになってしまいました

というわけで、これは一時的な仮の姿です

またのんびり考えられるとき(今月の3連休中とか、最悪GWあたりにでも・・・w)にもう一度チャレンジします

で、音楽も映像も変わりなしで・・・(/_;)

https://www.youtube.com/watch?v=HsDORDYBcwA

このデジログへのコメント

  • しあん 2010年03月09日 09:43

    > 美空さん

    きっとこれから何が二人に起きるのかを、両親は知っているんですよね
    で、感性の鋭いエノアは両親が心配している内容まで感じ取ってしまったということかな?
    がんばってるから応援しててね!(^-^)

  • cocoface 2010年03月15日 21:59

    親は子供のお陰で親になれて待つ事を覚えますね
    二人の冒険がとっても楽しみです 素敵な物語ありがとう♪

  • しあん 2010年03月15日 22:59

    > cocofaceさん

    そう言ってもらえると励みになります
    僕自身子供を育てた経験がありません
    だからこそ言えること・・・っていうのもあるのかな?と思っています

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