思い出が色褪せるなら・・・

楽しかった事、嬉しかった事、
確かに思い出せるけれど、
もう二度と感じる事は出来ない

まるでおとぎ話のように
遠い世界の事のように
古い言い伝えみたいに
なんだか他人事のように
どんどん色褪せてゆく

けれど・・・

悲しみはずっと色褪せず、
反対にそれだけが
浮き上がってきて
もうずっと昔の事なのに
ついさっきまで
いや、今も悲しみだけが
はっきりと鮮明な色で
焼きついている

いつかまた
本当の恋をした時
その時に始めて
色褪せた思い出になるのかな

でももう恋する気持ちを
失いかけてる
もうとっくに失ってしまって
いるのかもしれない

そんな事に気が付かずに
夢ばかり追いかけるから
疲れてしまうのかな

落ち込む事も
悲しむ事も
苦しくなる事も
切なくなる事も
全部全部受け止めるから

もう一度、心の底から
愛してみたい。

それすら叶わぬ願いなら
何を求めて生きてゆけと
いうのだろう

もう一人でいる事には
随分と慣れてしまったけれど
燃えさかるような恋を
忘れたわけじゃない

ただ感じる事が出来ないだけ

だからもう一度
感じてみたいだけ

叶わないなら
絶望だって受け入れるのに
叶うも叶わぬも
誰も教えてくれないし
誰にもわからない

自分にすらわからない

ただ僕は、それを夢見て
巡り合うために
毎日をやっとの事で
生きている

生き続けている

でも・・・

ちょっと疲れちゃった

探す事も、望む事も
待つ事も疲れちゃった

まためぐり合えるかな

もしめぐり合えたら
これまでの恋愛の全部より
ずっとずっと
幸福に満ちたものである事を
祈りたいな